社説 「トクリュウ」問題、DS市場に影
ダイレクトセリング(DS)市場を荒らす「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の問題が無視できなくなっている。警視庁がまとめた24年の生活経済事犯検挙状況によると、点検商法の摘発数は前年より大きく増え、その2割超が「トクリュウ」がらみだった。単なる悪質事業者と異なり、暴力団や半グレほど組織化されていないもの、犯罪行為に躊躇がない。ただでさえ縮小傾向に歯止めがかからないDS市場に更なるダメージを及ぼしかねない。
検挙状況によると、特商法で検挙した特定商取引等事犯のうち、悪質リフォーム等の点検商法の摘発件数は、前年比で28件増の66件。このうち15件が「トクリュウ」が関わった事件だったという。同事件で摘発した人数は130人で、このうち「トクリュウ」がらみは56人。実に、人数ベースでは4割超に達している。
警察に寄せられた特定商取引等関連の相談件数は、前年比で約1・5倍に増加。件数全体の約54%は、点検商法を含む訪問販売が占めたというため、「トクリュウ」が関与した事件によって〝上積み〟された可能性が疑われる。
訪問販売の特商法違反事件は、23年においても、特に被害金額に関して過去に類をみないほど突出していた。同年の被害総額は約1092億円。22年の約37倍に膨れ上がっていた。
最大の要因は、多目的テレビ電話機用のUSBメモリの販売預託商法を展開していた「VISION」の元役員らの逮捕。21年に消費者庁が、訪問販売の業務に携わることを24カ月禁じる命令を出したにもかかわらず、セミナーを開くなどして訪問販売形式の勧誘、契約締結を行っていた。
ただ、訪問販売規制に反した容疑による逮捕だったものの、問題の本質は販売預託商法。その後、今年2月、「VISION」の関係者らは詐欺容疑で逮捕されている。そもそもDSというモデルの枠から外れた犯罪行為でしかない。
一方、「トクリュウ」が関与した点検商法は、一般社会から見て、訪問販売という市場の一部を構成すると見做されている傾向が否めない。業界から見れば市場に巣食う問題商法でしかないが、この視点は消費者に共有されていない。
そこに来て、犯罪グループとして当局が摘発に力を入れる、「トクリュウ」の点検商法が拡大しているという検挙状況がまとめられた。データの公表に合わせて警視庁は、自宅を訪問する事業者に不安を抱いた場合、警察に相談するよう呼びかけている。このような注意喚起は以前から行われているが、悪質事業者の域を超えるネガティブイメージが助長されかねない。DS市場の先行きに小さくない影を落とすことが懸念される。
検挙状況によると、特商法で検挙した特定商取引等事犯のうち、悪質リフォーム等の点検商法の摘発件数は、前年比で28件増の66件。このうち15件が「トクリュウ」が関わった事件だったという。同事件で摘発した人数は130人で、このうち「トクリュウ」がらみは56人。実に、人数ベースでは4割超に達している。
警察に寄せられた特定商取引等関連の相談件数は、前年比で約1・5倍に増加。件数全体の約54%は、点検商法を含む訪問販売が占めたというため、「トクリュウ」が関与した事件によって〝上積み〟された可能性が疑われる。
訪問販売の特商法違反事件は、23年においても、特に被害金額に関して過去に類をみないほど突出していた。同年の被害総額は約1092億円。22年の約37倍に膨れ上がっていた。
最大の要因は、多目的テレビ電話機用のUSBメモリの販売預託商法を展開していた「VISION」の元役員らの逮捕。21年に消費者庁が、訪問販売の業務に携わることを24カ月禁じる命令を出したにもかかわらず、セミナーを開くなどして訪問販売形式の勧誘、契約締結を行っていた。
ただ、訪問販売規制に反した容疑による逮捕だったものの、問題の本質は販売預託商法。その後、今年2月、「VISION」の関係者らは詐欺容疑で逮捕されている。そもそもDSというモデルの枠から外れた犯罪行為でしかない。
一方、「トクリュウ」が関与した点検商法は、一般社会から見て、訪問販売という市場の一部を構成すると見做されている傾向が否めない。業界から見れば市場に巣食う問題商法でしかないが、この視点は消費者に共有されていない。
そこに来て、犯罪グループとして当局が摘発に力を入れる、「トクリュウ」の点検商法が拡大しているという検挙状況がまとめられた。データの公表に合わせて警視庁は、自宅を訪問する事業者に不安を抱いた場合、警察に相談するよう呼びかけている。このような注意喚起は以前から行われているが、悪質事業者の域を超えるネガティブイメージが助長されかねない。DS市場の先行きに小さくない影を落とすことが懸念される。