社説 参入規制は社会評価変えるか
連鎖販売取引市場における悪質事業者排除の手段として、3年ほど前より消費者系団体から提案されるようになった参入規制(開業規制)。21年の預託法改正で、販売預託商法を原則禁止する参入規制が始まり、一定の成果が見られたことなどが背景にある。お墨付き論を理由として、時に論外扱いされてきた過去とは隔世の感があるが、同時に、業界サイドでも受け止め方の変化がみられる。
そもそも、お墨付き論が参入規制を否定する根拠となり得てきた理由は何か。端的に言えば、「マルチ商法」といったワードに象徴されるレピュテーション(社会評価)の低さだ。
参入規制は、訪問販売については行政の有識者審議会で幾度か検討されてきた。最終的に、お墨付き論や行政コスト論を理由に棚上げされたものの、少なくとも議題として向き合う価値があるとみなされてきた。
しかし、連鎖販売は訪販以上にネガティブイメージが強い。旧訪販法制定時の衆院商工委員会で参考人の東大名誉教授が「安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」と発言したように、議論する必要性さえないと切り捨てられてきた。
一方、業界では、レピュテーションの低さがゆえに、これを克服することを目的として参入規制に賛意を示す事業者も一部にみられてきた。お墨付き論とレピュテーションの低さの相関関係を踏まえれば、卵が先か鶏が先かという話にはなってくるが、参入規制によって悪質事業者と区別できるなら、レピュテーションの向上に貢献するという理屈は一定の理解が及ぶ。
本紙が昨年夏に実施した、連鎖販売の参入規制の是非を問う業界アンケートでは、「賛成」の回答割合が29%となり、「反対」は21%。もっとも多かった回答は「賛成とも反対ともいえない」の37%だったが、賛否を明確にした事業者の間では賛成派が反対派を上回った。賛成した事業者からは「今までが自由すぎた。ある程度のハードルが必要」「簡単に参入できない方が被害者を増やさない。業界の見え方も変わると思う」といった率直な意見が寄せられた。業界において参入規制は、あくまで過去と比較すればだが、肯定的な面から関心を高めている。
ただ、当然のことながら、参入規制は様々な要件を課す制度。例えば、稼働会員数や報酬の支払い、解約申し出等の対応の状況といった情報の開示義務はセットにならざるを得ないだろう。参入規制が注目される以前から、情報開示によって透明性を高めることがレピュテーションにつながるという主張は業界でもなされてきたが、こちらに正面から賛同する事業者は多くなかった。参入規制にベネフィットがあるとしても、このような要件と表裏一体であることは踏まえる必要がある。
そもそも、お墨付き論が参入規制を否定する根拠となり得てきた理由は何か。端的に言えば、「マルチ商法」といったワードに象徴されるレピュテーション(社会評価)の低さだ。
参入規制は、訪問販売については行政の有識者審議会で幾度か検討されてきた。最終的に、お墨付き論や行政コスト論を理由に棚上げされたものの、少なくとも議題として向き合う価値があるとみなされてきた。
しかし、連鎖販売は訪販以上にネガティブイメージが強い。旧訪販法制定時の衆院商工委員会で参考人の東大名誉教授が「安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」と発言したように、議論する必要性さえないと切り捨てられてきた。
一方、業界では、レピュテーションの低さがゆえに、これを克服することを目的として参入規制に賛意を示す事業者も一部にみられてきた。お墨付き論とレピュテーションの低さの相関関係を踏まえれば、卵が先か鶏が先かという話にはなってくるが、参入規制によって悪質事業者と区別できるなら、レピュテーションの向上に貢献するという理屈は一定の理解が及ぶ。
本紙が昨年夏に実施した、連鎖販売の参入規制の是非を問う業界アンケートでは、「賛成」の回答割合が29%となり、「反対」は21%。もっとも多かった回答は「賛成とも反対ともいえない」の37%だったが、賛否を明確にした事業者の間では賛成派が反対派を上回った。賛成した事業者からは「今までが自由すぎた。ある程度のハードルが必要」「簡単に参入できない方が被害者を増やさない。業界の見え方も変わると思う」といった率直な意見が寄せられた。業界において参入規制は、あくまで過去と比較すればだが、肯定的な面から関心を高めている。
ただ、当然のことながら、参入規制は様々な要件を課す制度。例えば、稼働会員数や報酬の支払い、解約申し出等の対応の状況といった情報の開示義務はセットにならざるを得ないだろう。参入規制が注目される以前から、情報開示によって透明性を高めることがレピュテーションにつながるという主張は業界でもなされてきたが、こちらに正面から賛同する事業者は多くなかった。参入規制にベネフィットがあるとしても、このような要件と表裏一体であることは踏まえる必要がある。