社説 FTC新ルール、成立の可能性は
米FTC(連邦取引委員会)が、不公正・欺瞞的な行為・慣行を包括的に禁止したFTC法を補完する形で、MLMの報酬説明をターゲットとする新ルールの制定に乗り出した(1月23日号1面)。
適切あるいは誇大と考えられる説明の指針はあったが、法的強制力をもつルールは初めてと見られる。成立して業界にマイナスの影響を生じた場合、日本の外資系MLMの事業展開が左右されてくる可能性も考えられる。
新ルールは、MLMの会社および会員に対して、報酬に関する4つの〝不実告知〟を禁じる。誤解を招く説明、証拠もしくは合理的根拠に基づかない説明、MLMへの参加を雇用の機会と偽る説明、消費者が報酬に関する正確な情報を得ることを妨げる説明や虚偽もしくは裏付けのない説明が上げられている。原案について、1月13日より60日間のパブコメが始まった。
新ルールの登場は唐突感が否めないものの伏線はあった。一つは、誤解を招いたり明確な根拠のない儲け話を規制するビジネス・オポチュニティ・ルール。22年、MLMをルールの規制対象とする改定案が浮上した。
23年にはピラミッドスキームの該当性を争ったネオラ訴訟で敗北。昨年9月、業界70社の報酬支払い状況を調査した結果、実態の一部しか反映されていないと懸念を示していた。
仮に成立した場合、影響は生じるのか。4つの〝不実告知〟は、過去のピラミッドスキーム訴訟でFTCが違法性の根拠としてきた内容に共通する。自主規制団体のDSSRCも、同様の主張を行う会社に是正を求めてきた。これを明確にルール化するだけと捉えれば、業界を取り巻く状況は変わらないとも言える。
ただ、ピラミッドスキーム訴訟よりはFTCの行政コストが軽減され得る。機動的に運用されるなら、各社は気を引き締める必要があり、フィールドの動きが鈍る可能性も考えられる。
最近の市場縮小に拍車をかけた場合、米国系外資の日本法人にとっては無関係でなくなる。マイナスの影響としては、より稼げる海外市場が重視されて日本の立場が軽くなったり、事業継続の判断が視野に入るパターンが考えられるだろう。 では、成立の可能性はあるのか。最大の壁は政権交代だ。パブコメ開始の1週間後、新大統領は規制凍結保留レビューを発令。大統領が任命した行政機関のトップが検討、承認するまでの一時停止を指示した。独立機関であるFTCも過去の政権交代ではおおむね指示に従ってきた。FTCの新委員長は共和党派のコミッショナーが就任した。DSAは1月、政官にパイプをもつロビー活動のプロをCEOに招聘した。棚上げとなる可能性も考えられる。
新ルールは、MLMの会社および会員に対して、報酬に関する4つの〝不実告知〟を禁じる。誤解を招く説明、証拠もしくは合理的根拠に基づかない説明、MLMへの参加を雇用の機会と偽る説明、消費者が報酬に関する正確な情報を得ることを妨げる説明や虚偽もしくは裏付けのない説明が上げられている。原案について、1月13日より60日間のパブコメが始まった。
新ルールの登場は唐突感が否めないものの伏線はあった。一つは、誤解を招いたり明確な根拠のない儲け話を規制するビジネス・オポチュニティ・ルール。22年、MLMをルールの規制対象とする改定案が浮上した。
23年にはピラミッドスキームの該当性を争ったネオラ訴訟で敗北。昨年9月、業界70社の報酬支払い状況を調査した結果、実態の一部しか反映されていないと懸念を示していた。
仮に成立した場合、影響は生じるのか。4つの〝不実告知〟は、過去のピラミッドスキーム訴訟でFTCが違法性の根拠としてきた内容に共通する。自主規制団体のDSSRCも、同様の主張を行う会社に是正を求めてきた。これを明確にルール化するだけと捉えれば、業界を取り巻く状況は変わらないとも言える。
ただ、ピラミッドスキーム訴訟よりはFTCの行政コストが軽減され得る。機動的に運用されるなら、各社は気を引き締める必要があり、フィールドの動きが鈍る可能性も考えられる。
最近の市場縮小に拍車をかけた場合、米国系外資の日本法人にとっては無関係でなくなる。マイナスの影響としては、より稼げる海外市場が重視されて日本の立場が軽くなったり、事業継続の判断が視野に入るパターンが考えられるだろう。 では、成立の可能性はあるのか。最大の壁は政権交代だ。パブコメ開始の1週間後、新大統領は規制凍結保留レビューを発令。大統領が任命した行政機関のトップが検討、承認するまでの一時停止を指示した。独立機関であるFTCも過去の政権交代ではおおむね指示に従ってきた。FTCの新委員長は共和党派のコミッショナーが就任した。DSAは1月、政官にパイプをもつロビー活動のプロをCEOに招聘した。棚上げとなる可能性も考えられる。