社説 現場の営業力回復が急務
化粧品市場では、コロナ禍前から二極化傾向にあり、現在はそのトレンドがさらに強まっている。ダイレクトセリング系の化粧品企業では、高機能・高付加価値ブランドの投入・強化が相次いでいるが、課題も少なくない。
オッペン化粧品は、70周年を迎えた昨年、最高峰ブランド「アルティメイト」3品をリニューアルした。同シリーズは、「創立60周年記念商品」として発売されたブランドで、「創立65周年記念」として、2018年に1回目のリニューアルを実施しており、現在は3代目を数える。最新技術から生まれた話題の成分「NMN」と「CELLAMENT」を配合し、〝時間の流れに挑む、究極のスキンケア〟として同ブランドを定義し、主に長年のオッペンファンを中心に支持を集めている。ナリス化粧品でも、2023年から最高級ブランド「セルグレース」のリニューアルを順次行い、認知拡大を図ってきた。1995年に初代が誕生した同ブランドは、その後幾度のリニューアルを重ねてきた。このほかにも、真珠由来の配合成分を強みとしている御木本製薬は、ロングセラーのエイジングケアライン「ラフェリーナ」を、「ムーンパール」ブランドの最高峰エイジングケア「ムーンパール エクストラ」としてリニューアル。最大手のポーラも、7月にパーソナライズドブランド「アペックス」を大幅刷新するなど、各社で〝ハイブランド〟の強化が盛んだ。
高機能・高価格のアイテムを販売するには、営業現場にも高いスキルが求められる。ダイレクトセリングは「人と人のつながりのビジネス」と呼ばれてきたが、対面によるコミュニケーションとカウンセリング、フェイシャルケアなどのお手入れなどによって顧客との関係性を高め、ブランドを知ってもらうことで満足度の高い商品・サービスにつながるが、団塊世代を中心としたベテラン販売員の引退によって、このサイクルを維持することが難しくなってきている企業が少なくない。主力の訪販やサロンといった販売チャネル以外への販路を模索する動きもあるが、もともと直接対面による紹介で販売していたブランドを、訪販に比べて顧客との関係性が薄いECや店舗販売で展開するのは容易ではなく、別のノウハウが必要になるが、その蓄積が十分になされておらず成果を出せないケースもある。
商品として高い価値をもちながら、それを効率的に展開できる営業力に欠けるというのは、多くの老舗企業が抱える課題と言っても過言ではない。コロナ禍を機にサロンビジネスも転換期を迎えており、新しいビジネスモデルの構築が急務となっている。「人と人のつながり」は、どの時代も必要とされるものだが、現代消費者のニーズに即したアプローチの最適解がどこにあるのか、各社の模索が今後も続きそうだ。
オッペン化粧品は、70周年を迎えた昨年、最高峰ブランド「アルティメイト」3品をリニューアルした。同シリーズは、「創立60周年記念商品」として発売されたブランドで、「創立65周年記念」として、2018年に1回目のリニューアルを実施しており、現在は3代目を数える。最新技術から生まれた話題の成分「NMN」と「CELLAMENT」を配合し、〝時間の流れに挑む、究極のスキンケア〟として同ブランドを定義し、主に長年のオッペンファンを中心に支持を集めている。ナリス化粧品でも、2023年から最高級ブランド「セルグレース」のリニューアルを順次行い、認知拡大を図ってきた。1995年に初代が誕生した同ブランドは、その後幾度のリニューアルを重ねてきた。このほかにも、真珠由来の配合成分を強みとしている御木本製薬は、ロングセラーのエイジングケアライン「ラフェリーナ」を、「ムーンパール」ブランドの最高峰エイジングケア「ムーンパール エクストラ」としてリニューアル。最大手のポーラも、7月にパーソナライズドブランド「アペックス」を大幅刷新するなど、各社で〝ハイブランド〟の強化が盛んだ。
高機能・高価格のアイテムを販売するには、営業現場にも高いスキルが求められる。ダイレクトセリングは「人と人のつながりのビジネス」と呼ばれてきたが、対面によるコミュニケーションとカウンセリング、フェイシャルケアなどのお手入れなどによって顧客との関係性を高め、ブランドを知ってもらうことで満足度の高い商品・サービスにつながるが、団塊世代を中心としたベテラン販売員の引退によって、このサイクルを維持することが難しくなってきている企業が少なくない。主力の訪販やサロンといった販売チャネル以外への販路を模索する動きもあるが、もともと直接対面による紹介で販売していたブランドを、訪販に比べて顧客との関係性が薄いECや店舗販売で展開するのは容易ではなく、別のノウハウが必要になるが、その蓄積が十分になされておらず成果を出せないケースもある。
商品として高い価値をもちながら、それを効率的に展開できる営業力に欠けるというのは、多くの老舗企業が抱える課題と言っても過言ではない。コロナ禍を機にサロンビジネスも転換期を迎えており、新しいビジネスモデルの構築が急務となっている。「人と人のつながり」は、どの時代も必要とされるものだが、現代消費者のニーズに即したアプローチの最適解がどこにあるのか、各社の模索が今後も続きそうだ。