社説 活用広がる機能性表示食品
ダイレクトセリング業界のMLM市場で機能性表示食品を取り扱う会社が増えている。いわゆる健康食品で謳うことの難しい「~の向上」といった具体的な説明を事業者の責任で行うことが可能。顧客の安心、信頼に応えられるメリットに加えて、薬機法や特定商取引法に抵触するリスクを減らせる。
「紅麹」事件を受けて、安全性確保を目的に制度は厳格化。健食市場全体から見た新規の届け出数は鈍化傾向がみられるものの、中長期の視点からは制度の信頼を増すことにつながる。
昨年から今年にかけて、新たに機能性表示食品の取り扱いを開始した主な会社は、日本シャクリー、DAIYAMONDLIFE、ハーバライフ・オブ・ジャパン、ヤング・リビング・ジャパン・インク、エックスワンなど。届け出た機能性は、「目の疲労感の軽減」「良質な睡眠のサポート」「肌の弾力維持」「腹部の脂肪を減らす」「血圧が高めの方の血圧を下げる」などがみられる。
業界最大手の日本アムウェイも参入を決定。10月29日より、ルテインとゼアキサンチンを関与成分とする「アイブレンド」を機能性表示食品として販売開始した。
届け出た機能性は「光の刺激から目を保護する」など計4種類。製品は02年に発売したロングセラーで、すでに根強いニーズをもつ。より直接的な表現が行えるようにして、ビジネスをテコ入れする。6月にはGABA製品の届け出も行っており、本腰を入れる様子がうかがえる。
機能性の説明を可能とすることで、実際に売れ行きにポジティブな変化を生じることもMLMLの参入を増やしている。主力健康食品で5つの機能性を届け出たナチュラリープラスの場合、スタート商品における同製品の比率が10%アップ。やはり主力健康食品で機能性を届け出たDAIYAMONDLIFEは、販売開始月に注文数が大幅に増えた結果、一時的に在庫切れを起こした。
明確な説明が行えるようになることや、法的なリスクを減らせること以外のメリットも指摘できる。MLMもしくは販売業の未経験者でも、製品を伝えやすくなることだ。
MLMが武器とする口コミは、素材や成分、自身の体感などがよく強調される。しかし、製品トレーニングや一定期間の利用を必要とするため、より説得力が増す半面、ビジネスの広がりという点では制約を受ける。機能性表示は、コンプライアンスを保ちつつ広く浅く展開できる利点をもつ。
「紅麹」事件では、いわゆる健康食品自体をカバーする「サプリメント法」の可能性も取りざたされたが、結局は雲散霧消した。許認可制のトクホは緩やかに市場が縮小。制度が大幅に厳格化されたとはいえ、機能性表示食品の活用への意欲はまだまだ高い。
「紅麹」事件を受けて、安全性確保を目的に制度は厳格化。健食市場全体から見た新規の届け出数は鈍化傾向がみられるものの、中長期の視点からは制度の信頼を増すことにつながる。
昨年から今年にかけて、新たに機能性表示食品の取り扱いを開始した主な会社は、日本シャクリー、DAIYAMONDLIFE、ハーバライフ・オブ・ジャパン、ヤング・リビング・ジャパン・インク、エックスワンなど。届け出た機能性は、「目の疲労感の軽減」「良質な睡眠のサポート」「肌の弾力維持」「腹部の脂肪を減らす」「血圧が高めの方の血圧を下げる」などがみられる。
業界最大手の日本アムウェイも参入を決定。10月29日より、ルテインとゼアキサンチンを関与成分とする「アイブレンド」を機能性表示食品として販売開始した。
届け出た機能性は「光の刺激から目を保護する」など計4種類。製品は02年に発売したロングセラーで、すでに根強いニーズをもつ。より直接的な表現が行えるようにして、ビジネスをテコ入れする。6月にはGABA製品の届け出も行っており、本腰を入れる様子がうかがえる。
機能性の説明を可能とすることで、実際に売れ行きにポジティブな変化を生じることもMLMLの参入を増やしている。主力健康食品で5つの機能性を届け出たナチュラリープラスの場合、スタート商品における同製品の比率が10%アップ。やはり主力健康食品で機能性を届け出たDAIYAMONDLIFEは、販売開始月に注文数が大幅に増えた結果、一時的に在庫切れを起こした。
明確な説明が行えるようになることや、法的なリスクを減らせること以外のメリットも指摘できる。MLMもしくは販売業の未経験者でも、製品を伝えやすくなることだ。
MLMが武器とする口コミは、素材や成分、自身の体感などがよく強調される。しかし、製品トレーニングや一定期間の利用を必要とするため、より説得力が増す半面、ビジネスの広がりという点では制約を受ける。機能性表示は、コンプライアンスを保ちつつ広く浅く展開できる利点をもつ。
「紅麹」事件では、いわゆる健康食品自体をカバーする「サプリメント法」の可能性も取りざたされたが、結局は雲散霧消した。許認可制のトクホは緩やかに市場が縮小。制度が大幅に厳格化されたとはいえ、機能性表示食品の活用への意欲はまだまだ高い。