老舗に求められる舵取りは
ダイレクトセリング業界では、拠点をもたない無店舗販売が主流だった時期に、「実際にどのような事業をやっているのか分かりづらい」という声が聞かれた。サロンビジネスや通販が一般的な手法となった現在、そのような意見は少なくなりつつあるが、それでも事業の透明性確保が重要であることに変わりない。2014年から開催されているオッペン化粧品のイベント「ローズウィーク」は、そのような時代背景の中で始まり、現在では地元の風物詩と定着しており、「見える化」を達成した1つの例と言える。
「ローズウィーク」は、初回の2014年から毎年5月に開催されているが、コロナ禍の中、2020年、2021年はコロナ禍のためリアルでの開催は中止し、ばら園の様子をオンラインで配信。その後、2022年からは再びリアルでの開催となり、今年も5月10日~14日の5日間開催された。同社のばら園には337種4000本ものばらが植えられ、中にはここでしか見ることができないオリジナル品種もある。関西でも有数のばら園であることから、愛好家の中では知られたイベントであることに加え、地元での周知も進み、この時期の風物詩として賑わいを見せるようになった。
オッペン化粧品は今年で創業70周年という節目を迎える老舗企業だが、かつては地元とのつながりが現在ほど多くはなかったという。地域密着型の施策が増えたのは、現在の瀧川照章社長が就任してからで、従来の「内向き」重視の施策とともに、「外向き」の施策によって情報発信を強化する方針を打ち出した。この背景には、前出のダイレクトセリングというビジネスモデルに、事業の透明性確保が求められるようになってきた時代の変化がある。「ローズウィーク」のほかにも、本社と隣接する大阪学院大学では、就活のためのメークセミナー、地元を知り地域を活性化させる地域創生講座「吹田学」への協力等、地域密着の連携を行ってきた。そうした取り組みを継続することで地域の認知度も上がり、後藤圭二吹田市長も「ローズウィーク」を訪問し、地元企業への期待感を示すなど、地元密着企業としてのブランドはこの10年で確立されたと言える。
「見える化」施策においてブランド認知を進め、最終的には愛用者、販売員につなげたいところだが、コロナ禍での営業活動の停滞や販売組織の高齢化など、さまざまな課題もあり、一朝一夕には行かないのが現状だ。老舗ゆえ、ビジネスモデルの改革も容易ではない。一方で、地元の専門学校生とのコラボレーションで化粧品を開発するなど、若い層に向けた施策もみられる。今後、地域密着企業として、新規ユーザーへの訴求をどのように行っていくのか、瀧川社長の舵取りに注目したい。
「ローズウィーク」は、初回の2014年から毎年5月に開催されているが、コロナ禍の中、2020年、2021年はコロナ禍のためリアルでの開催は中止し、ばら園の様子をオンラインで配信。その後、2022年からは再びリアルでの開催となり、今年も5月10日~14日の5日間開催された。同社のばら園には337種4000本ものばらが植えられ、中にはここでしか見ることができないオリジナル品種もある。関西でも有数のばら園であることから、愛好家の中では知られたイベントであることに加え、地元での周知も進み、この時期の風物詩として賑わいを見せるようになった。
オッペン化粧品は今年で創業70周年という節目を迎える老舗企業だが、かつては地元とのつながりが現在ほど多くはなかったという。地域密着型の施策が増えたのは、現在の瀧川照章社長が就任してからで、従来の「内向き」重視の施策とともに、「外向き」の施策によって情報発信を強化する方針を打ち出した。この背景には、前出のダイレクトセリングというビジネスモデルに、事業の透明性確保が求められるようになってきた時代の変化がある。「ローズウィーク」のほかにも、本社と隣接する大阪学院大学では、就活のためのメークセミナー、地元を知り地域を活性化させる地域創生講座「吹田学」への協力等、地域密着の連携を行ってきた。そうした取り組みを継続することで地域の認知度も上がり、後藤圭二吹田市長も「ローズウィーク」を訪問し、地元企業への期待感を示すなど、地元密着企業としてのブランドはこの10年で確立されたと言える。
「見える化」施策においてブランド認知を進め、最終的には愛用者、販売員につなげたいところだが、コロナ禍での営業活動の停滞や販売組織の高齢化など、さまざまな課題もあり、一朝一夕には行かないのが現状だ。老舗ゆえ、ビジネスモデルの改革も容易ではない。一方で、地元の専門学校生とのコラボレーションで化粧品を開発するなど、若い層に向けた施策もみられる。今後、地域密着企業として、新規ユーザーへの訴求をどのように行っていくのか、瀧川社長の舵取りに注目したい。