正念場のアムウェイ、変革の継続を
日本アムウェイが正念場を迎えている。23年12月期の売上高は過去20期で最低(前号1面参照)。昨年8月まで1年間のビジネス会員数も過去20年で初めて50万組を下回った。最大の要因と言える特定商取引法処分から2年近くが経過し、影響が数字として表れた。一方、同社は処分直後より業界でも類を見ない自主規制を推進してきた。コンプライアンスに則った本来あるべき経営の結果という見方をするなら、これからも変革の歩みを止めないべきだ。
連鎖販売取引事業に消費者庁から取引等停止命令を受けたのは22年10月。23年4月までの6カ月間、新規勧誘と契約申込の受付・締結業務が禁じられた。同じ期間、禁止対象に含まれない「プライムカスタマー(愛用会員)」の勧誘・登録受付も自主的に停止した。
10月~12月に停止期間が重なった22年12月期の売上高は前期比で4・6%減。この時点では比較的、小幅の減収率に収めていた。
しかし、1月~4月が停止期間と重なり、通常営業再開に合わせて自主規制をスタートさせた23年12月期の売上高は14.4%減と落ち込んだ。
製品カテゴリーでもっとも減収率が大きかったのは、耐久消費財の「ハウスウェア」の18.2%減。処分にともない、商品代金の分割払いに利用できた「アムウェイ・クレジット(AC)」サービスの提供が終了したことや、信販会社と提携・発行する「アムウェイカード」で年間利用限度額が制限された影響も大きかったとみられる(ACは23年10月より同種のサービスを再開)。
23年8月末時点の「ABO」の組数も前年対比で15.8%減と大きく低下。23年8月までの1年間に成績別ボーナスで掛け率3%以上のボーナスを達成した「ABO」の組数も、14.4%減と減らした。
「プライムカスタマー」の人数は非公表。昨年4月からの自主規制で登録の入り口を「プライムカスタマー」に限定したことで、「ABO」とは逆に増えた可能性が考えられるものの、MLMという業態においてその原動力となるビジネス会員の数を大きく減らした影響はやはり小さくない。
一方、売上を落とすこととなった昨年、同社は「新アムウェイ登録制度」と呼ぶ業界でも過去に例を見ない自主規制に取り組んできた。商品等の説明に先立つデジタル方式の同意の取得をはじめ、愛用会員形式に限定した登録受付、そこから20日間以上を経過後のビジネス会員への移行、トレーニングの受講と活動資格テストへの合格――などだ。業界最大手が模範となるモデルを軌道に乗せることができれば数字以上の意義を見い出せる。取り組みの継続と強化を求めたい。
連鎖販売取引事業に消費者庁から取引等停止命令を受けたのは22年10月。23年4月までの6カ月間、新規勧誘と契約申込の受付・締結業務が禁じられた。同じ期間、禁止対象に含まれない「プライムカスタマー(愛用会員)」の勧誘・登録受付も自主的に停止した。
10月~12月に停止期間が重なった22年12月期の売上高は前期比で4・6%減。この時点では比較的、小幅の減収率に収めていた。
しかし、1月~4月が停止期間と重なり、通常営業再開に合わせて自主規制をスタートさせた23年12月期の売上高は14.4%減と落ち込んだ。
製品カテゴリーでもっとも減収率が大きかったのは、耐久消費財の「ハウスウェア」の18.2%減。処分にともない、商品代金の分割払いに利用できた「アムウェイ・クレジット(AC)」サービスの提供が終了したことや、信販会社と提携・発行する「アムウェイカード」で年間利用限度額が制限された影響も大きかったとみられる(ACは23年10月より同種のサービスを再開)。
23年8月末時点の「ABO」の組数も前年対比で15.8%減と大きく低下。23年8月までの1年間に成績別ボーナスで掛け率3%以上のボーナスを達成した「ABO」の組数も、14.4%減と減らした。
「プライムカスタマー」の人数は非公表。昨年4月からの自主規制で登録の入り口を「プライムカスタマー」に限定したことで、「ABO」とは逆に増えた可能性が考えられるものの、MLMという業態においてその原動力となるビジネス会員の数を大きく減らした影響はやはり小さくない。
一方、売上を落とすこととなった昨年、同社は「新アムウェイ登録制度」と呼ぶ業界でも過去に例を見ない自主規制に取り組んできた。商品等の説明に先立つデジタル方式の同意の取得をはじめ、愛用会員形式に限定した登録受付、そこから20日間以上を経過後のビジネス会員への移行、トレーニングの受講と活動資格テストへの合格――などだ。業界最大手が模範となるモデルを軌道に乗せることができれば数字以上の意義を見い出せる。取り組みの継続と強化を求めたい。