自社の強み活かす手法こそ
コロナ禍を経て、ダイレクトセリング化粧品市場では、顧客接点の多様化が進んだ。2000年代前半から本格化したサロン展開は、2019年まではピークと言って差し支えない勢いだったが、コロナ禍によって大きく変化した。現在は、拠点数の減少や販売員の高齢化など、さまざまな課題を抱えつつ、リアル・デジタルを駆使した施策によって化粧品訪販の「次の一手」を構築する取り組みが続いている。
コロナ禍の中で有効な顧客接点として各社が注目したのは公式ECサイトだ。現在、ポーラを筆頭にノエビアやナリス化粧品、オッペン化粧品など、およそ4割ほどのダイレクトセリング化粧品企業が公式ECサイトを展開している。コロナ禍当時は、店舗で購入が難しいユーザーが続出し、それを補うチャネルとして活用され、現在もその流れが続いている。販売チャネルとしての売上は主力のダイレクトセリングには及ばず、現時点では主力の販売チャネルを補完するサブチャネルという位置づけだ。ただ、将来的には公式ECサイトの売上比率が上がっていくことも予想され、特に若年世代へのアプローチとしての活用を期待する向きもある。
一方で、ECへ進出せず、サロンや従来型のビジネスモデルを維持する企業もある。日本メナード化粧品、アイビー化粧品、CPコスメティクス、ワミレスコスメティクスといった企業は、コロナ禍の中でも販売員と顧客とのリアルでのカウンセリングや販売、施術を行い、顧客接点を確保してきた。もともと、ダイレクトセリングというビジネスモデルで取り扱う商品やサービスは、「実際に特徴や使い方を紹介・説明した上で、納得して購入してもらう」という特性を有するケースが多かった。また、それが他の店舗販売や通販などの販売チャネルの商品との差別化につながっていた。サロンという拠点は、透明性を確保することで、より分かりやすいかたちで伝える目的で導入され、定着してきたわけだ。また、今年で30周年を迎えたアシュランのようなケースもある。同社は、サロンなどの拠点や公式ECといった他チャネル展開をせず、会員や愛用者のクチコミによる拡大を創業来、堅持してきた。それは、同社の商品の特性を最も伝えることが出来るのが、クチコミビジネスであるという創業者の信念に由来するものだ。同社はグループ全体で会員が利用できる多様な施設を整え、ものづくりの現場を見せることで、ブランドへの信頼感につなげている。
時代の変化とともに販売チャネル間の垣根が取り払われつつある中、改めて自社の強みが何か、その強みを発揮するために必要なビジネスモデルが何か問われる時期に入ったと言えるかもしれない。
コロナ禍の中で有効な顧客接点として各社が注目したのは公式ECサイトだ。現在、ポーラを筆頭にノエビアやナリス化粧品、オッペン化粧品など、およそ4割ほどのダイレクトセリング化粧品企業が公式ECサイトを展開している。コロナ禍当時は、店舗で購入が難しいユーザーが続出し、それを補うチャネルとして活用され、現在もその流れが続いている。販売チャネルとしての売上は主力のダイレクトセリングには及ばず、現時点では主力の販売チャネルを補完するサブチャネルという位置づけだ。ただ、将来的には公式ECサイトの売上比率が上がっていくことも予想され、特に若年世代へのアプローチとしての活用を期待する向きもある。
一方で、ECへ進出せず、サロンや従来型のビジネスモデルを維持する企業もある。日本メナード化粧品、アイビー化粧品、CPコスメティクス、ワミレスコスメティクスといった企業は、コロナ禍の中でも販売員と顧客とのリアルでのカウンセリングや販売、施術を行い、顧客接点を確保してきた。もともと、ダイレクトセリングというビジネスモデルで取り扱う商品やサービスは、「実際に特徴や使い方を紹介・説明した上で、納得して購入してもらう」という特性を有するケースが多かった。また、それが他の店舗販売や通販などの販売チャネルの商品との差別化につながっていた。サロンという拠点は、透明性を確保することで、より分かりやすいかたちで伝える目的で導入され、定着してきたわけだ。また、今年で30周年を迎えたアシュランのようなケースもある。同社は、サロンなどの拠点や公式ECといった他チャネル展開をせず、会員や愛用者のクチコミによる拡大を創業来、堅持してきた。それは、同社の商品の特性を最も伝えることが出来るのが、クチコミビジネスであるという創業者の信念に由来するものだ。同社はグループ全体で会員が利用できる多様な施設を整え、ものづくりの現場を見せることで、ブランドへの信頼感につなげている。
時代の変化とともに販売チャネル間の垣根が取り払われつつある中、改めて自社の強みが何か、その強みを発揮するために必要なビジネスモデルが何か問われる時期に入ったと言えるかもしれない。