アフターコロナ対応のビジネス

  1面で報じているように、ダイレクトセリング化粧品最大手のポーラ・オルビスホールディングスの2022年12月期第3四半期は、 売上高が前年同期比8.8%減の1196億5400万円となった。損益面は、営業利益が同37.4%減の76億6800万円、 経常利益は同9.4%減の121億6900万円、当期利益が同50.5%増の130億3500万円と、第2四半期に続いて減収となった。
 事業別の実績をみると、ビューティケア事業のうち、ポーラブランドは売上高が同10.7%減の694億5600万円、 営業利益が同22.4%減の85億6800万円となった。他のブランド、例えばオルビスブランドでは売上高が同3.9%減、 営業利益が同30.0%減となっており、売上構成比が高いポーラブランドにおける売上減が全体の業績を圧迫した。ポーラブランドの売上伸長率をみると、 委託販売チャネルが前年同期比10.4%減、海外が同24.5%減、国内ECが同1.5%増、百貨店・BBが同8.1%増となっており、 主力の委託販売チャネルで引き続き厳しい状況が続いている。
 その一方で、委託販売チャネルでは、新規・既存ともに顧客数の回復傾向があり、 7月~9月のオンライン経由の新規顧客獲得数は前年度比2ケタ増となった。また、国内ECは堅調な動きを示していることから、 コロナ禍で変化した消費者の購買行動をいかに引き込むがカギとなっている。ポーラは現在、ITを活用した情報発信を強化しており、 店舗ごとの情報発信や、昨年11月から提供している公式アプリなどによって顧客との接点確保に努める。
 既存顧客向けに対しては、対面販売のベースとなる店舗やポーラザビューティーへの来店を促し、 エステの新メニューを導入するなどして売上回復をめざす。ただし、リアル接点となる店舗は縮小傾向が続いており、決して予断を許さない。 委託販売チャネルのショップ数は2942店舗で、前年同期比285店舗減少。また、 ブランド発信の主力となるポーラザビューティーは548店舗で同店舗の減少。コロナ前は600店舗台で推移していたが、 緊急事態宣言の発出に伴う営業休止や、顧客の外出自粛などを背景に閉店が続いている模様。サロンビジネスは、 2000年代初頭にポーラが本格的に導入してから、ダイレクトセリングの新たなビジネスモデルとして定着した。そのスタイルがコロナ禍の中、 大きな変革を迫られていると言える。
 社会経済活動活性化への機運が高まる中、ポーラは、オンラインやECへ注力しつつ、新しいスタイルの店舗(4面参照)を出店するなど、 アフターコロナ時代のダイレクトセリングへの模索を続けている。