異色の手法、特定利益の「ポイント払い」
8月26日に兵庫県から特定商取引法で処分された連鎖販売の「ライフコンシェルジュ」。「何もしなくても収入が得られる」
などと告げて複合サービス利用権の購入を誘っていた手口や、被害者の多くが20代の若者だった点が問題視された。
一方、処分事由と直接の関係はないものの、一部の業界関係者の間で注目を集めた同社の手法がある。特定利益の提供を独自のポイントで行い、 会員の要請に応じて現金化する仕組みを取っていた点だ。
ラ社が採用したのは「報酬ポイント」と呼ぶ制度。現金化を会員が望んだ場合、累計が1万P以上であることを条件に、 1Pを1円に換算して手数料880Pを差し引き、指定の口座に振り込んでいた。ポイントのまま、同社のコンシェルジュサービスで利用することもできたという。
このような「ポイント払い」は、昨年8月に消費者庁から処分された「リーウェイジャパン」も実施。「RW」と呼ぶ独自のポイントを「社内通貨」 と位置づけ、購入額83.5円につき1Pを会員の「RWウォレット」に付与。現金化には累計100P以上が必要で、 金額の10%を手数料として徴収していた。
特商法は特定利益を金銭で支払うように義務付けていないため、違反行為に該当する訳ではない。ただ、業界を見渡した際、 海外インセンティブ等を除いたメインの特定利益の提供を金銭以外で行うケースは、非常に稀なことは共通の見解と言えるのではないか。
何故、「ポイント払い」がレアケースと言えるのか。最大の理由は、会員にとってのメリットに薄い点だろう。仮に、 どちらかの支払い手法を選べるとしたら、わざわざ現金化する手間が必要とされ、一定の手数料も徴収される「ポイント払い」よりは、 現金による通常の支払いを望む会員が多数にのぼるはず。「ポイント払い」以外の魅力的な特典がなければ、新規登録の増加は望みにくく、 MLMの生命線である組織拡大に支障をきたすことになる。
また、ラ社の場合は、ポイントに有効期限を設定していたほか、現金化の申請タイミングを営業日に限り、週末等は受け付けていなかった。 リ社も申請を月2回に限定。このような制約もハードルになり得ると考えられる。ポイントは現金ではないため収入に該当せず、 そのため税申告の義務が生じないという見方も聞かれるが、いずれ現金化するなら大きなメリットとは言えないだろう。
今のところ、「ポイント払い」が業界に広まる兆しや、特定利益の提供を金銭以外の方法で行うことに対して何らかの規制を設けようという具体的な動きは窺えない。 採用する主宰企業が続くとしても、今後も異色の手法となりそうだ。
一方、処分事由と直接の関係はないものの、一部の業界関係者の間で注目を集めた同社の手法がある。特定利益の提供を独自のポイントで行い、 会員の要請に応じて現金化する仕組みを取っていた点だ。
ラ社が採用したのは「報酬ポイント」と呼ぶ制度。現金化を会員が望んだ場合、累計が1万P以上であることを条件に、 1Pを1円に換算して手数料880Pを差し引き、指定の口座に振り込んでいた。ポイントのまま、同社のコンシェルジュサービスで利用することもできたという。
このような「ポイント払い」は、昨年8月に消費者庁から処分された「リーウェイジャパン」も実施。「RW」と呼ぶ独自のポイントを「社内通貨」 と位置づけ、購入額83.5円につき1Pを会員の「RWウォレット」に付与。現金化には累計100P以上が必要で、 金額の10%を手数料として徴収していた。
特商法は特定利益を金銭で支払うように義務付けていないため、違反行為に該当する訳ではない。ただ、業界を見渡した際、 海外インセンティブ等を除いたメインの特定利益の提供を金銭以外で行うケースは、非常に稀なことは共通の見解と言えるのではないか。
何故、「ポイント払い」がレアケースと言えるのか。最大の理由は、会員にとってのメリットに薄い点だろう。仮に、 どちらかの支払い手法を選べるとしたら、わざわざ現金化する手間が必要とされ、一定の手数料も徴収される「ポイント払い」よりは、 現金による通常の支払いを望む会員が多数にのぼるはず。「ポイント払い」以外の魅力的な特典がなければ、新規登録の増加は望みにくく、 MLMの生命線である組織拡大に支障をきたすことになる。
また、ラ社の場合は、ポイントに有効期限を設定していたほか、現金化の申請タイミングを営業日に限り、週末等は受け付けていなかった。 リ社も申請を月2回に限定。このような制約もハードルになり得ると考えられる。ポイントは現金ではないため収入に該当せず、 そのため税申告の義務が生じないという見方も聞かれるが、いずれ現金化するなら大きなメリットとは言えないだろう。
今のところ、「ポイント払い」が業界に広まる兆しや、特定利益の提供を金銭以外の方法で行うことに対して何らかの規制を設けようという具体的な動きは窺えない。 採用する主宰企業が続くとしても、今後も異色の手法となりそうだ。