「女性活躍推進」の試金石
「女性の活躍推進」という言
葉が聞かれるようになって久し
いが、日本ではまだまだ動きが
鈍い。先ごろ、イギリスの経済
誌「エコノミスト」が発表した
主要29カ国における女性の働き
やすさランキングでは、日本は
28位とワースト2位という結果
となった。多様性の時代と言わ
れる現代社会において、また経
済活動の活性化という点におい
ても、女性が働きやすい環境の
整備は喫緊の課題だ。
ダイレクトセリング業界、特 に化粧品分野では、ことさらに 「女性の活躍推進」が叫ばれる 以前から、女性の力を活かした 事業を展開してきた。周知の通 り、このビジネスは、高度経済 成長期の時代から女性の力によ って拡大してきた。働き方や価 値観、ライフスタイルが変化し ても、女性の共感力やクチコミ 力は、今なお重要な役割を担っ ている。このため、DS化粧品 分野では性別を問わず働きやす い環境を整備する動きが多くみ られる。
例を挙げると、ナリス化粧品 では、従業員のライフスタイル に合わせた働きやすい環境の整 備に努めている。女性だけでな く、「性別を問わず誰でも働き やすい社内環境」という視点が 特徴だ。同社では15年以上前か ら、産前休暇以外の制度につい て、男性社員にも同じ制度の適 用を行ってきた。2017年に は、育児と介護に関わる人のた めの両立支援を目的とした「サ ポートブック」を作成し、理解 を深める教育を行い、環境整備 に努めてきた。これらの結果、 2016年には「女性の育児休 業復職率」を連続10年100% 達成、2017年には「育児休 業後の女性の定着率」において、 3年連続で100%を達成。ま た、2018年には、「女性管 理 職比率」が10年間で2倍超、 2019年には、「正社員女性 比率」が10年間約20ポイントア ップと、着実に「誰でも働きや すい社内環境」を整えている。 これらの取り組みには社会的に も評価されており、さまざまな 賞を受賞している。
コロナ禍によって、テレワー クが社会的に推進され、さまざ まな角度から「働きやすさ」の あり方が改めて検証されるよう になってきた。「女性の活躍推 進」は、人口減・高齢化社会が 進行する日本において、避けて 通ることのできないもの。その ためには、男性も働きやすい環 境が必要であると同時に、これ まで以上に意識の変革も求めら れる。テレワークが増えた結果、 家庭では昼食の準備などで女性 の負担がかえって増えたという 話も聞かれる。ウィズコロナ時 代に合わせたワークライフバラ ンスも必要だ。
「誰でも働きやすい環境」を 整えるのは、容易な道ではない。 他の分野に先行して女性の活躍 を積極的に推進してきたDS化 粧品企業の取り組みは、今後の 試金石になると言える。
ダイレクトセリング業界、特 に化粧品分野では、ことさらに 「女性の活躍推進」が叫ばれる 以前から、女性の力を活かした 事業を展開してきた。周知の通 り、このビジネスは、高度経済 成長期の時代から女性の力によ って拡大してきた。働き方や価 値観、ライフスタイルが変化し ても、女性の共感力やクチコミ 力は、今なお重要な役割を担っ ている。このため、DS化粧品 分野では性別を問わず働きやす い環境を整備する動きが多くみ られる。
例を挙げると、ナリス化粧品 では、従業員のライフスタイル に合わせた働きやすい環境の整 備に努めている。女性だけでな く、「性別を問わず誰でも働き やすい社内環境」という視点が 特徴だ。同社では15年以上前か ら、産前休暇以外の制度につい て、男性社員にも同じ制度の適 用を行ってきた。2017年に は、育児と介護に関わる人のた めの両立支援を目的とした「サ ポートブック」を作成し、理解 を深める教育を行い、環境整備 に努めてきた。これらの結果、 2016年には「女性の育児休 業復職率」を連続10年100% 達成、2017年には「育児休 業後の女性の定着率」において、 3年連続で100%を達成。ま た、2018年には、「女性管 理 職比率」が10年間で2倍超、 2019年には、「正社員女性 比率」が10年間約20ポイントア ップと、着実に「誰でも働きや すい社内環境」を整えている。 これらの取り組みには社会的に も評価されており、さまざまな 賞を受賞している。
コロナ禍によって、テレワー クが社会的に推進され、さまざ まな角度から「働きやすさ」の あり方が改めて検証されるよう になってきた。「女性の活躍推 進」は、人口減・高齢化社会が 進行する日本において、避けて 通ることのできないもの。その ためには、男性も働きやすい環 境が必要であると同時に、これ まで以上に意識の変革も求めら れる。テレワークが増えた結果、 家庭では昼食の準備などで女性 の負担がかえって増えたという 話も聞かれる。ウィズコロナ時 代に合わせたワークライフバラ ンスも必要だ。
「誰でも働きやすい環境」を 整えるのは、容易な道ではない。 他の分野に先行して女性の活躍 を積極的に推進してきたDS化 粧品企業の取り組みは、今後の 試金石になると言える。