コロナ問題 丸投げの自粛要請は無責任
震源地の中国はもとより、今や世
界全体に広がって、WHO(世界保
健機関)が「未知の領域」と宣言す
るほどの事態に発展した新型コロナ
ウイルスの感染拡大問題。国内のM
LM業界では、2月の頭から会員参
加型のイベント、ツアーの延期・中
止決定が相次ぐ状況。各社が払い戻
し等への対応や事業スケジュールの
見直しに追われている。3月2日時
点で事態に収束の兆しはうかがえ
ず、9年前の東日本大震災を上回る
社会的・経済的ダメージが生じ
ると
の見方も現実味を帯びてきた。
政府は2月25~26日にかけて、2 週間以内に開催される大規模なイベ ントの中止や延期、規模の縮小とい った対応を求めることを表明。事実 上の自粛要請となる。
この表明が出るまでにも、業界で はハーバライフ、KZ1、ライフバ ンテージ、アフロゾーン、サンクス アイ、アリックスなどが延期、中止 を決めていた。さらに表明を境に、 フォーデイズやドテラもイベントの 開催取りやめを決定。 ドテラは、2 月27日から予定していた新宿でのイ ベントの延期を2日前の同日に発 表。会場側と話し合い、消毒スプレ ーを設置するなどの対応を取って実 施する予定だったが、政府の要請に 応じる形となった。
予定していたイベントやツアーの 見送りは、東日本大震災の際にも見 られた対応。しかし当時は、被災規 模の大小にかかわらず、経済活動を 縮小させないように、被災地の支援 活動と連携させる形で、可能な限り 事業の継続に取り組む会社も多かっ た。が、今回は経済活動自体が感染 を 拡大させるリスクと隣り合わせの ため、活動が縮小の一途になってい る違いがある。
自明のことだが、業界にとっての イベントやツアーは、ディストリビ ューターが達成した実績に報いると いう、毎年のロードマップでも非常 に重要な事業の一つ。ディストリビ ューターにとっては晴れの舞台であ り、さらなる活動に向けて士気を高 めて英気を養う意味をもつ。この修 正を余儀なくされるということは、 金銭的被害以上の弊害をもたらしか ねず、各社とも断腸の思いで延期や 中止の決定に至ったはずだ。
それに対して、政府の自粛要請は 体のいい民間への対応丸投げでしか ない。要請に応じた会社が被る 被害 は、政府の関知するところではない という姿勢が透けて見える。
そのことが顕著に表れているの が、二転三転している要請の中身。 2月25日の段階で政府は、イベント 等の開催について全国一律に自粛を 求めるものではないという考えを示 していたが、翌26日になると一転、 事実上の自粛要請に切り替えた。同 27日の全国小中高の一斉休校要請 も、翌28日に「地域で柔軟に判断し てほしい」と修正。あたかも思い付 きレベルのアイデアを専門家や現場 の意見を考慮せずに〝やってる感〟 の演出のために打ち出した かの
ような混乱ぶりを見せている。 3月2日時点で政府は、延期・中 止となったイベントの損害を国が直 接補償することを否定し、資金繰り のサポートにとどめる見解を示して いる。自粛要請の責任の所在をどう 考えているのか。
政府は2月25~26日にかけて、2 週間以内に開催される大規模なイベ ントの中止や延期、規模の縮小とい った対応を求めることを表明。事実 上の自粛要請となる。
この表明が出るまでにも、業界で はハーバライフ、KZ1、ライフバ ンテージ、アフロゾーン、サンクス アイ、アリックスなどが延期、中止 を決めていた。さらに表明を境に、 フォーデイズやドテラもイベントの 開催取りやめを決定。 ドテラは、2 月27日から予定していた新宿でのイ ベントの延期を2日前の同日に発 表。会場側と話し合い、消毒スプレ ーを設置するなどの対応を取って実 施する予定だったが、政府の要請に 応じる形となった。
予定していたイベントやツアーの 見送りは、東日本大震災の際にも見 られた対応。しかし当時は、被災規 模の大小にかかわらず、経済活動を 縮小させないように、被災地の支援 活動と連携させる形で、可能な限り 事業の継続に取り組む会社も多かっ た。が、今回は経済活動自体が感染 を 拡大させるリスクと隣り合わせの ため、活動が縮小の一途になってい る違いがある。
自明のことだが、業界にとっての イベントやツアーは、ディストリビ ューターが達成した実績に報いると いう、毎年のロードマップでも非常 に重要な事業の一つ。ディストリビ ューターにとっては晴れの舞台であ り、さらなる活動に向けて士気を高 めて英気を養う意味をもつ。この修 正を余儀なくされるということは、 金銭的被害以上の弊害をもたらしか ねず、各社とも断腸の思いで延期や 中止の決定に至ったはずだ。
それに対して、政府の自粛要請は 体のいい民間への対応丸投げでしか ない。要請に応じた会社が被る 被害 は、政府の関知するところではない という姿勢が透けて見える。
そのことが顕著に表れているの が、二転三転している要請の中身。 2月25日の段階で政府は、イベント 等の開催について全国一律に自粛を 求めるものではないという考えを示 していたが、翌26日になると一転、 事実上の自粛要請に切り替えた。同 27日の全国小中高の一斉休校要請 も、翌28日に「地域で柔軟に判断し てほしい」と修正。あたかも思い付 きレベルのアイデアを専門家や現場 の意見を考慮せずに〝やってる感〟 の演出のために打ち出した かの
ような混乱ぶりを見せている。 3月2日時点で政府は、延期・中 止となったイベントの損害を国が直 接補償することを否定し、資金繰り のサポートにとどめる見解を示して いる。自粛要請の責任の所在をどう 考えているのか。