ハイブランドに見る新戦略
本誌既報の通り、エイボン・プロダクツは9月1日付で「エフエムジー&ミッション」に社名を改め、新体制をスタートさせた。変更から約2カ月が経過し、少しずつ新たな戦略が見え始めてきた。
「エイボン」というブランドが日本に上陸して50年。舶来化粧品として女性の支持を集めてきたが、直近の10年間は、体制変更が続いていた。今回の変更を判断したのは、2017年9月から 社長を務めている中氏だが、2018年の体制変更――韓国化粧品大手のLG生活健康の傘下に入ったことが、ブランドチェンジに大きな影響を与えたことは想像できる。 同社は近年、「原点回帰」をテーマにダイレクトセリング事業のテコ入れを行うとともに、卸・輸出事業の展開など、事業多角化による基盤強化を図ってきた。LG生活健康という巨大グループの 傘下に入った後、シナジーはしばらくの間は表面にはあらわれていなかったが、社名変更のタイミングに合わせて顕著になってきた。
10月18日に発売した大型スキンケアブランド「ミッション スムマ」は、韓国の「発酵研究所」による発酵成分を配合したハイブランド化粧品だ。価格帯は、税別1万円~3万5000円で、 シリーズ5品で9万5000円。これまでの「エイボン」ブランドに比べるとかなり高価格に設定されているが、それだけ高機能・高付加価値に自信を持っているということなのだろう。 メーンターゲットは、長年「ミッション」ブランドに親しんできたコアユーザーで、その中でも美容に関心が高い女性層ということになる。カタログ頒布による販売をベースとする同社の ビジネスモデルは、キャンペーンごとに届けられるカタログを見て楽しみ、気に入ったアイテムやお得な商品を注文するというスタイル。カタログは、メンバーと顧客とつなぐツールであり、 比較的購入しやすい価格帯の商品ラインナップとの親和性が高いと言える。
一方で、「―スムマ」は、他のダイレクトセリング化粧品と同様、高機能・高付加価値で勝負できるラインナップを揃えてきたことを意味する。 価格帯的に、カタログで気軽に注文するアイテムというよりも、メンバーと密接なコミュニケーションを図りながら販売していくスタイルになるのではないか。言うまでもなく、 メンバーと愛用者のつながりはこのビジネスの核だ。「―スムマ」を販売するメンバーには、定期的なカタログ頒布に加え、商品の良さを自身で伝えるクチコミ力が一層求められるわけだ。 「原点回帰」をテーマに事業の強化を進めている同社は、社名が変わっても、その方針は一貫していることが窺える。
さらに言えば、サロンビジネスが一般的になっている現在、同社が今後どのようなダイレクトセリングを展開していくのか気になるところだ。従来通り、カタログ頒布をベースにするのか、それとも、 サロンビジネスのように、より顧客と密接な関係性を構築できる手法を取り入れていくのか。「―スムマ」は、そのような意味で、さまざまな新しい取組みが予想される商品だ。今後の動向に注目したい。
「エイボン」というブランドが日本に上陸して50年。舶来化粧品として女性の支持を集めてきたが、直近の10年間は、体制変更が続いていた。今回の変更を判断したのは、2017年9月から 社長を務めている中氏だが、2018年の体制変更――韓国化粧品大手のLG生活健康の傘下に入ったことが、ブランドチェンジに大きな影響を与えたことは想像できる。 同社は近年、「原点回帰」をテーマにダイレクトセリング事業のテコ入れを行うとともに、卸・輸出事業の展開など、事業多角化による基盤強化を図ってきた。LG生活健康という巨大グループの 傘下に入った後、シナジーはしばらくの間は表面にはあらわれていなかったが、社名変更のタイミングに合わせて顕著になってきた。
10月18日に発売した大型スキンケアブランド「ミッション スムマ」は、韓国の「発酵研究所」による発酵成分を配合したハイブランド化粧品だ。価格帯は、税別1万円~3万5000円で、 シリーズ5品で9万5000円。これまでの「エイボン」ブランドに比べるとかなり高価格に設定されているが、それだけ高機能・高付加価値に自信を持っているということなのだろう。 メーンターゲットは、長年「ミッション」ブランドに親しんできたコアユーザーで、その中でも美容に関心が高い女性層ということになる。カタログ頒布による販売をベースとする同社の ビジネスモデルは、キャンペーンごとに届けられるカタログを見て楽しみ、気に入ったアイテムやお得な商品を注文するというスタイル。カタログは、メンバーと顧客とつなぐツールであり、 比較的購入しやすい価格帯の商品ラインナップとの親和性が高いと言える。
一方で、「―スムマ」は、他のダイレクトセリング化粧品と同様、高機能・高付加価値で勝負できるラインナップを揃えてきたことを意味する。 価格帯的に、カタログで気軽に注文するアイテムというよりも、メンバーと密接なコミュニケーションを図りながら販売していくスタイルになるのではないか。言うまでもなく、 メンバーと愛用者のつながりはこのビジネスの核だ。「―スムマ」を販売するメンバーには、定期的なカタログ頒布に加え、商品の良さを自身で伝えるクチコミ力が一層求められるわけだ。 「原点回帰」をテーマに事業の強化を進めている同社は、社名が変わっても、その方針は一貫していることが窺える。
さらに言えば、サロンビジネスが一般的になっている現在、同社が今後どのようなダイレクトセリングを展開していくのか気になるところだ。従来通り、カタログ頒布をベースにするのか、それとも、 サロンビジネスのように、より顧客と密接な関係性を構築できる手法を取り入れていくのか。「―スムマ」は、そのような意味で、さまざまな新しい取組みが予想される商品だ。今後の動向に注目したい。