教材トラブル 現状放置は市場の荒廃深める
9月19日付けの本欄で、日本訪問販売協会の正会員に係る学習教材トラブル(「問題性あり」相談)の問題性を取上げ、
訪販協はトラブルを発生させている当該会員に法令や自主行動基準を遵守する意向が確認できない場合は、然るべきプロセスを経て、
除名処分を行うことも検討されるべき旨を指摘した。
ここまで踏み込んだ指摘をしたのは、この問題を放置することは、当該市場において、これら不公正な事業活動を行う事業者がコスト競争上、優位に立ち、 公正な事業活動を行う事業者を市場から排除、結果として市場環境が益々悪化、市場の縮小・喪失に繋がる恐れがあるからだ。学習教材は訪販と親和性があり、 この市場が荒廃・縮小に向かうことは避けなければならない。訪販協はダイレクトセリング業界の自主規制団体として、 健全な事業者の育成も重要な任務になっている筈であるが、現状では真っ当な事業者が育ち難い環境になっている。
学習教材訪販トラブルの典型的な事例は、中学3学年分の複数の教材の一括契約=過量販売契約に係るものだ。契約金額は高額になり、事業者の立場からすれば、 高い粗利益が得られる。販売員もそれが歩合給に反映される。勢い事業者と販売員が一体となった強引・執拗な勧誘に結びつき易い。 訪販協は「過量に当たらない分量の目安」について、学習教材をはじめ、健康食品、化粧品、寝具、アクセサリーなどの商品・役務について自主行動基準を設けているが、 目立って消費者トラブルが多いのは学習教材だ。
このように学習教材訪販に係る「問題性あり」相談の内容は、同じパターンのものが少なくない。都道府県が異なるのに、 契約金額や信販契約金額が全く同一のものもよく見られた。そこからは、同一事業者乃至は同一事業者グループによって類似の勧誘が全国的に行われていることが窺われる。
そこで問われるのは訪販協の対応だ。訪販協はこれら「問題性あり」相談を引き起こしている正会員企業を全て把握している筈だ。 つまり、これまでの「問題性あり」相談の発生履歴、それに対する訪販協の是正 指導履歴、同指導に対する当該会員の対応履歴などは全て把握されていると考えられる。しかし、それらの情報は一切開示されない。
従って、ここからは推測になるが、訪販協の事務局はこれら「問題性あり」相談を引起す事業者(あるいは事業者グループ)の体質、 そこに内包する構造的問題(ビジネスモデルなど)を把握していると考えられる。これを前提にすれば、訪販協は当該事業者に対して、抜本的な是正指導を行える筈だ。 しかし、現実はこれまで指摘してきた通りだ。そこからは、当然のこととして「何故、訪販協は実効性のある是正指導ができないのか」という疑問の声が出てくる。
是正指導に事務局のみでの対応が困難というのであれば、総務委員会又は消費者問題対策委員会の中に専門家を交えた専門調査会を設置して、 健全化に向けた対策を講じるべきだ。現状のままでは、訪販協の求心力の低下を招き、会員の離脱を誘発することに繋がっていく。
ここまで踏み込んだ指摘をしたのは、この問題を放置することは、当該市場において、これら不公正な事業活動を行う事業者がコスト競争上、優位に立ち、 公正な事業活動を行う事業者を市場から排除、結果として市場環境が益々悪化、市場の縮小・喪失に繋がる恐れがあるからだ。学習教材は訪販と親和性があり、 この市場が荒廃・縮小に向かうことは避けなければならない。訪販協はダイレクトセリング業界の自主規制団体として、 健全な事業者の育成も重要な任務になっている筈であるが、現状では真っ当な事業者が育ち難い環境になっている。
学習教材訪販トラブルの典型的な事例は、中学3学年分の複数の教材の一括契約=過量販売契約に係るものだ。契約金額は高額になり、事業者の立場からすれば、 高い粗利益が得られる。販売員もそれが歩合給に反映される。勢い事業者と販売員が一体となった強引・執拗な勧誘に結びつき易い。 訪販協は「過量に当たらない分量の目安」について、学習教材をはじめ、健康食品、化粧品、寝具、アクセサリーなどの商品・役務について自主行動基準を設けているが、 目立って消費者トラブルが多いのは学習教材だ。
このように学習教材訪販に係る「問題性あり」相談の内容は、同じパターンのものが少なくない。都道府県が異なるのに、 契約金額や信販契約金額が全く同一のものもよく見られた。そこからは、同一事業者乃至は同一事業者グループによって類似の勧誘が全国的に行われていることが窺われる。
そこで問われるのは訪販協の対応だ。訪販協はこれら「問題性あり」相談を引き起こしている正会員企業を全て把握している筈だ。 つまり、これまでの「問題性あり」相談の発生履歴、それに対する訪販協の是正 指導履歴、同指導に対する当該会員の対応履歴などは全て把握されていると考えられる。しかし、それらの情報は一切開示されない。
従って、ここからは推測になるが、訪販協の事務局はこれら「問題性あり」相談を引起す事業者(あるいは事業者グループ)の体質、 そこに内包する構造的問題(ビジネスモデルなど)を把握していると考えられる。これを前提にすれば、訪販協は当該事業者に対して、抜本的な是正指導を行える筈だ。 しかし、現実はこれまで指摘してきた通りだ。そこからは、当然のこととして「何故、訪販協は実効性のある是正指導ができないのか」という疑問の声が出てくる。
是正指導に事務局のみでの対応が困難というのであれば、総務委員会又は消費者問題対策委員会の中に専門家を交えた専門調査会を設置して、 健全化に向けた対策を講じるべきだ。現状のままでは、訪販協の求心力の低下を招き、会員の離脱を誘発することに繋がっていく。