社説 事業の「見える化」新たな取組み

異業種や団体とのコラボレーションは、ダイレクトセリング企業にとっても普遍的な取り組みとなりつつある。 ブランド認知、新規顧客開拓、社会貢献等、コラボレーションにはさまざまな要素が含まれており、内容も実に多彩だ
老舗化粧品企業のナリス化粧品は、8月10日に大阪府警の特殊詐欺被害防止キャンペーンに参加し、 啓発物品として栄養調整食品「ぐーぴたっ」をJR新大阪駅中央口で配布した。大阪府警が主催するキャンペーンへの参加は初めてで、 帰省で家族が話す機会が増えるお盆の時期に合わせて啓発活動を行うことで、特殊詐欺被害防止に対する意識を喚起した。 「ぐーぴたっ」を配布したのは、発売22年目を迎えるブランド認知の高い商品であることから、帰省の移動中で空腹を満たしつつ、 家族で特殊詐欺を食い止める方法を話し合ってもらうため。「犯罪は”ぴたっ”となくしたい」というメッセージを込めたという。 当日は、親しみやすい風貌のキャラクター「ぴたるん」も登場し、親近感をアピールした。
オッペン化粧品は、高校生女子7人制ラグビー大会「オッペンカップ 高校生女子セブンズ」を今年も協賛した (主催・一般社団法人長野県ラグビーフットボール協会、主管・長野県ラグビーフットボール協会、南信州クラブ)。 「女性の活力を生み出す企業」であることを使命としている同社は、未来のラグビー女子日本代表をめざす高校生女子セブンズラグビー大会への 協賛を通じて、女性や若年世代の活動をサポートする。大会では、美容講習や美白体験ブースで美容の重要性を訴求した。 こうした同社の取り組みは、毎年5月に本社敷地内で開催されるバラ園一般公開イベント「ローズウィーク」も同様だ。 本社に隣接する大阪学院大学や吹田市内の有志団体、行政との関係性が強化され、イベントの内容も回を重ねるにつれて充実したものとなっている。 今年は初の取り組みとして本社1階ロビーでクラシックコンサートも行った。地元密着型のイベントとして定着している「ローズウィーク」では、 特に大阪学院大学とのコラボレーションが強みで、フォトコンテストの共催や、大学生のボランティア参加等、さまざまな形でコラボが行われている。 同大学とは就活のためのメークセミナー、地元を知り地域を活性化させる地域創生講座「吹田学」への協力等も行っている。 これらの活動は直接的に事業の強化につながるものではないが、地域のつながりという「横軸」は地域に密着したダイレクトセリング企業として 外せない要素だ。
このほかにも、シーボンでは埼玉県男女共同参画推進センター主催の「しごと準備講座」で就活メイクレッスンを開催したり、 シーボンパビリオンのある神奈川県川崎市内の県立高校の高校生を対象にインターンシップ(職業体験)を実施する等、 企業単体のブースイベントや異業種コラボとは異なるアプローチで事業・活動の紹介を行っている。一昔前に比べれば事業の 「見える化」はかなり進んでいるが、これまで培ってきた研究開発技術やノウハウを用いた活動によってさらなる透明性の確保が期待される。