社説 JDSA登録制度 会員の声、仕組みに反映を
訪問販売員の資質向上などを目的に「JDSA教育登録制度(以下登録制度)」を運用する日本訪問販売協会は、
6月18日の通常総会で承認された2019年度事業計画において、「登録制度」の参加率アップなどを狙いに会員アンケートを実施することを
盛り込んだ。ダイレクトセリング市場の縮小や制度改正を背景に、ここ十数年は参加企業、登録販売員とも減少傾向を脱せていない。
アンケートで現場の声をひろいあげ、「登録制度」の仕組みや運用の見直しが図られるなら、
業界レピュテーションの底上げや協会の存在感のアピールにつながると期待される。
アンケートは6月後半~7月をメドに実施する予定。すでに「登録制度」に参加する会員企業から現行の仕組みに対する不満や要望を聞いたり、 未参加企業からその理由などを聞く。参加企業数は03~04年度の60社がピーク。以降は減少をつづけ、 直近となる18年度末は3割減の43社となっている。
また、「教育計画書」に基づき参加企業が教育、試験を行った登録販売員の数も減らしている。ピークは94年度の117・4万人。 2000年度に100万人を割り込んだ後は、旧制度で可能だった”団体会員経由”の登録を終了した影響も大きかったとはいえ、漸減がつづく。 18年度末は前年度比6・3万人増の40・2万人。6年ぶりに増やしたものの、減少トレンドを転換できてはいない。
参加企業数を増やす試みは、旧制度から現行の「登録制度」に移行するにあたって、11年度にも検討されたことがある。 この時は、正会員に「登録制度」への参加を義務付ける案が浮上。しかし、企業によって「登録制度」の必要性に濃淡があることなどから 一部会員の反発を招き、最終的に見送られた経緯をもつ。このため、義務化案が再び検討される可能性は低いだろう。
一方、今回のアンケートで会員企業から寄せられる可能性がある課題の一つは、「教育計画書」の作成。同書は、 協会が定める「教育カリキュラム」と「評価の基準」に準拠し、協会事務局と協議して参加企業が自ら作成するものとされている。 この作成ハードルが高いと思われていることが、参加企業が増えない背景の一つにあるのではないかと事務局では分析する。 「登録制度」を見直す以前に、現行の仕組みが十分に周知・理解されているのかどうか、アンケートを通じて改めて精査することが ポイントになってきそうだ。
もう一つ、寄せられる可能性が高いのが連鎖販売取引企業向けのコンテンツの充実。「教育カリキュラム」は連鎖向けの教科も含んではいるが、 扱いはサブ的な内容にとどまる。連鎖企業の参加率の低さは旧制度時代より課題としてあったが、 現行の制度に移行した後も事情はあまり変わっていない。
義務化案が浮上した当時、反発した会員には、実態は愛用者にすぎないディストリビューターにまで教育を要求されることを懸念した連鎖企業が 少なくなかった。強引に参加させることは無理筋な以上、連鎖企業のほうから参加したくなるような制度設計を今一度、検討してみることも 一つのアイデアだろう。
アンケートは6月後半~7月をメドに実施する予定。すでに「登録制度」に参加する会員企業から現行の仕組みに対する不満や要望を聞いたり、 未参加企業からその理由などを聞く。参加企業数は03~04年度の60社がピーク。以降は減少をつづけ、 直近となる18年度末は3割減の43社となっている。
また、「教育計画書」に基づき参加企業が教育、試験を行った登録販売員の数も減らしている。ピークは94年度の117・4万人。 2000年度に100万人を割り込んだ後は、旧制度で可能だった”団体会員経由”の登録を終了した影響も大きかったとはいえ、漸減がつづく。 18年度末は前年度比6・3万人増の40・2万人。6年ぶりに増やしたものの、減少トレンドを転換できてはいない。
参加企業数を増やす試みは、旧制度から現行の「登録制度」に移行するにあたって、11年度にも検討されたことがある。 この時は、正会員に「登録制度」への参加を義務付ける案が浮上。しかし、企業によって「登録制度」の必要性に濃淡があることなどから 一部会員の反発を招き、最終的に見送られた経緯をもつ。このため、義務化案が再び検討される可能性は低いだろう。
一方、今回のアンケートで会員企業から寄せられる可能性がある課題の一つは、「教育計画書」の作成。同書は、 協会が定める「教育カリキュラム」と「評価の基準」に準拠し、協会事務局と協議して参加企業が自ら作成するものとされている。 この作成ハードルが高いと思われていることが、参加企業が増えない背景の一つにあるのではないかと事務局では分析する。 「登録制度」を見直す以前に、現行の仕組みが十分に周知・理解されているのかどうか、アンケートを通じて改めて精査することが ポイントになってきそうだ。
もう一つ、寄せられる可能性が高いのが連鎖販売取引企業向けのコンテンツの充実。「教育カリキュラム」は連鎖向けの教科も含んではいるが、 扱いはサブ的な内容にとどまる。連鎖企業の参加率の低さは旧制度時代より課題としてあったが、 現行の制度に移行した後も事情はあまり変わっていない。
義務化案が浮上した当時、反発した会員には、実態は愛用者にすぎないディストリビューターにまで教育を要求されることを懸念した連鎖企業が 少なくなかった。強引に参加させることは無理筋な以上、連鎖企業のほうから参加したくなるような制度設計を今一度、検討してみることも 一つのアイデアだろう。