社説 横流し問題、抜本対策の検討を
MLM製品の出品を禁じてきた「メルカリ」が利用規約を見直し、出品を”解禁”した(4月25日号1面詳報)。
四半期で1300億円近い取引高をあげるフリマアプリ最大手の方針転換は、MLM業界にとって他人事ではない。
ネット上で自社製品が横流し・安売りされていないか、日常的に目を光らせる関係者の間からは落胆の声も聞こえる。
ただ、出品を禁じた過去の方針のほうが異例だったことを踏まえれば、これを機会として、
横流しさせない抜本的な仕組み作りを視野に入れることも必要なのではないか。
メルカリは従来、出品禁止物である「事務局で不適切と判断されるもの」の一つに「MLM商品」を指定。 その他の禁止物と同じく、AI(人工知能)を使ったシステムで出品を見つけ、削除してきたという。 が、このMLM製品出品禁止ルールを3月に廃止。入れ替わる形で、利用者が守るべき禁止行為の一つにMLM(連鎖販売取引含む)の勧誘を明記した。 このため4月以降は、利用規約に則った取引を行い、MLMの勧誘活動も行わないなら、MLM製品の出品は通常の取引として問題がなくなっている。
メルカリによれば、MLM製品を出品したいという利用者の声が多数寄せられていたため、解禁したとのこと。 禁止してきた理由が、勧誘トラブルを問題視していたが故とすれば、そのリスクを禁止行為への明記で抑止できるなら、 あえて取引自体を禁じる必要はなくなる。
また、競合に位置づけられるヤフオク!やラクマには、本紙が調べた限り同様の出品禁止ルールは見当たらなかった。 メルカリが独自の判断で出品を禁じていた可能性が高く、その点で言えば従来の方針のほうが異例だったとも言えそうだ。
一方、現在のメルカリを各社の人気製品名で検索すると、以前より出品件数が増えている印象がある。 実際に増えている場合、業界にとっては新たな横流し・安売りスポットが登場したということ。 近年だと、11年よりアマゾンジャパンのマーケットプレイス市場でMLM各社の人気製品が売られるようになっている。 メルカリやアマゾンのような大型プラットフォームで横流し・安売りが広く行われることは、言うまでもなく業界にとってマイナスの意味で インパクトが大きい。
もっとも、会員の出品、転売を禁じる法的根拠が見当たらない以上、ネット上で横流し・安売りスポットが次々に登場する流れは、 今後も避けられないだろう。そしてスポットが増えれば、自社製品が売られていないかチェックし、買い上げ調査などを行う主宰企業の手間も増大する。 メルカリのようにAIを使う手もありえるが、費用対効果を考えるとそこまでのコストをかけられる会社はごく一部に限られるだろう。
やはり、根本的な歯止めをかけようと考えるなら、常習的な横流し・安売り行為がボーナス目当ての買い込みに端を発していることは明らかな以上、 自社のマーケティングプランの仕組みを見直して自己消費を超える在庫を抱えられないようにし、 実際に運用を行うことがベストな選択肢と言えるのではないか。
メルカリは従来、出品禁止物である「事務局で不適切と判断されるもの」の一つに「MLM商品」を指定。 その他の禁止物と同じく、AI(人工知能)を使ったシステムで出品を見つけ、削除してきたという。 が、このMLM製品出品禁止ルールを3月に廃止。入れ替わる形で、利用者が守るべき禁止行為の一つにMLM(連鎖販売取引含む)の勧誘を明記した。 このため4月以降は、利用規約に則った取引を行い、MLMの勧誘活動も行わないなら、MLM製品の出品は通常の取引として問題がなくなっている。
メルカリによれば、MLM製品を出品したいという利用者の声が多数寄せられていたため、解禁したとのこと。 禁止してきた理由が、勧誘トラブルを問題視していたが故とすれば、そのリスクを禁止行為への明記で抑止できるなら、 あえて取引自体を禁じる必要はなくなる。
また、競合に位置づけられるヤフオク!やラクマには、本紙が調べた限り同様の出品禁止ルールは見当たらなかった。 メルカリが独自の判断で出品を禁じていた可能性が高く、その点で言えば従来の方針のほうが異例だったとも言えそうだ。
一方、現在のメルカリを各社の人気製品名で検索すると、以前より出品件数が増えている印象がある。 実際に増えている場合、業界にとっては新たな横流し・安売りスポットが登場したということ。 近年だと、11年よりアマゾンジャパンのマーケットプレイス市場でMLM各社の人気製品が売られるようになっている。 メルカリやアマゾンのような大型プラットフォームで横流し・安売りが広く行われることは、言うまでもなく業界にとってマイナスの意味で インパクトが大きい。
もっとも、会員の出品、転売を禁じる法的根拠が見当たらない以上、ネット上で横流し・安売りスポットが次々に登場する流れは、 今後も避けられないだろう。そしてスポットが増えれば、自社製品が売られていないかチェックし、買い上げ調査などを行う主宰企業の手間も増大する。 メルカリのようにAIを使う手もありえるが、費用対効果を考えるとそこまでのコストをかけられる会社はごく一部に限られるだろう。
やはり、根本的な歯止めをかけようと考えるなら、常習的な横流し・安売り行為がボーナス目当ての買い込みに端を発していることは明らかな以上、 自社のマーケティングプランの仕組みを見直して自己消費を超える在庫を抱えられないようにし、 実際に運用を行うことがベストな選択肢と言えるのではないか。