アムウェイ、「再興」へのビジョンは

自主規制強化から2年、PIO相談件数ほぼ半分
同意「カード」定着、「コミュニティ」作りシフト



 業界最大手の日本アムウェイ(本社・東京都渋谷区、イリーナ・メンシコヴァ社長)がMLM事業の再興≠ノ向けた取り組みを推し進めている。競合他社に大きな衝撃をもたらした特定商取引法行政処分から3年。23年4月の通常業務再開に合わせて、説明前の同意手続きや愛用限定の登録受付などを柱とする自主規制強化に踏み切り、その後、PIO―NETベースの相談件数は処分直前のほぼ半分に減少している。見込み客へのアプローチは、健康推進プログラムを軸とするコミュニティ構築路線にシフト。製品のファン作りを起点としたビジネスビルダーの育成を目指している。
 

24年相談数、47%減

   3年前の行政処分によって大きな痛手を負った日本アムウェイ。同時に、同社がMLM事業を抜本的に見直す転換点となった。
 一つが、フィールドから問題行為を排除するための是正策。6カ月の取引等停止期間の終了に合わせて、自主規制の大幅な強化に踏み切った。
 その後、自主規制は成果を上げてきたのか。これを推し測るKPIの一つが相談件数と言える(グラフ参照)。
 国民生活センターが運用するPIO―NETに登録された、同社関連の消費生活相談情報の件数は、24年1月〜12月の1年間で192件(「苦情」「問い合わせ」「要望」の合計、情報公開制度を利用した訪販ニュースの調べ、25年1月時点)。
 これに対して、22年10月の処分直前までの1年間(21年10月〜22年9月)は360件だったため、比較すると約47%の減少となっている。過去20年の件数は13年の867件がピーク。当時と比較した場合、2割強まで減らしたことになる。
 処分の理由となった違反は勧誘目的等不明示、公衆の出入りしない場所での勧誘、迷惑勧誘、概要書面不交付の4つ。いずれもリクルートの過程において認定された。このため、強化した自主規制は、ABO(アムウェイ・ビジネス・オーナー、所謂ビジネス会員)が見込み客に説明を行う前の段階に始まり、ABO登録を最終的に完了するまでのプロセスを中心に複数の“関門”を追加した。

同意取得、会社が共有

 この自主規制において大きな役割を果たし、相談件数の減少の観点から奏功していると見られるのが、WEBフォーム形式の「アムウェイご紹介カード(以下カード)」となる。
 「カード」の最大の目的は、処分の一因となった勧誘目的等不明示の未然排除。見込み客である相手から、製品やMLMビジネスなどの説明を受けることについて、事前に同意を取得する。
 まず、ABOが同社WEBサイトのマイアカウントにアクセスして、そのABOに紐づいた「カード」のリンクを作成し、SNSやメールを通じて相手に送信。リンク先のWEBフォームで、説明を受けることや説明事項に関する同意欄へのチェックと、自身の氏名の入力を行ってもらう。

(続きは2025年3月27日号参照)