ポーラ・2024年12月期 伸び悩む最大手

3期連続の売上1千億円割れ
業界の羅針盤≠ノ陰り




▲1月に就任した小林琢磨社長に課せられた「ポーラブランドの回復」という使命は重く大きい
 ポーラ(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)は、長らく訪販業界のリーディングカンパニーとして盤石な地位を確立してきた。同社が実施する新たな施策は同業他社にも影響をもたらし、ビジネスモデルそのものを次のステップに進める役割を果たしてきた。訪販化粧品市場にとって、言わば羅針盤とも呼べるポーラだが、近年はその動きに陰りがみられ、コロナ禍以降はそれが顕著だ。主力の委託販売チャネルでは、小林新社長の下、新たな施策を展開することで屋台骨の修復を図ろうとしているが、足元の業績を見る限り、課題は山積していると言わざるを得ない。果たして、経営陣と営業現場の結束感を高めて回復への道筋をつけることができるのか。
 

オルビスの好調
ポーラの低迷

   ポーラ・オルビスホールディングス(本社・東京都中央区、横手喜一社長)の2024年期は、連結ベース売上高が前期比1・7%減の1703億5900万円となった。営業利益は14・1%減の138億1000万円、経常利益は同12・9%減の160億8300万円、当期利益は同3・9%減の92億8600万円と減収減益という結果となった。特に営業利益、経常利益は2ケタの大幅減となったが、主力ブランドのポーラの売上不振に伴う利益の減少に加え、オーストラリア産のオーガニック原料を使った化粧品ブランド「Jurlique」や、数年前にメンズコスメブランドを展開して話題を呼んだ「THREE」における売上減、コスト増などを主な要因として挙げている。  セグメント別の実績をみると、ポーラを含むビューティケア事業は売上高が同2・0%減の1650億6000万円、営業利益が同8・7%減の149億2600万円となった。ビューティケア事業は、主力のポーラブランド、オルビスブランド、Jurliqueブランド、育成ブランドの4カテゴリーに分かれるが、このうち増収増益となっているのはオルビスのみで、同ブランドは売上高が前期比12・4%増の481億9000万円、営業利益は同31・0%増の83億600万円と、2ケタ増収増益が続く。2025年1月1日付でポーラの代表取締役社長に就任した小林琢磨氏は、それまでオルビスのトップとして立て直しを図ってきた。かつての通販ブランド≠ニいうカテゴライズから脱却し、付加価値のある高価格帯アイテムの売上比率を上げるなど、ブランディングの見直しを図ることで業績回復につなげた実績は、前期でも示された格好だ。  その一方で、ビューティケア事業売上の半数以上を占める主力のポーラは、苦境が続いている。2024年12月実績は、売上高が前期比5・8%減の927億9800万円、営業利益は同14・0%減の99億3300万円、ビューティケア事業のみならず、ポーラ・オルビスホールディングスの業績全体の足を引っ張っている状態が続いている。グラフ1では、ポーラブランドの2009年12月期から直近の2024年12月期までの売上高および営業利益率の推移を示した。これをみると、シワ改善ブランド「リンクルショット」やインバウンドが追い風となった2018年12月期をピークにポーラの業績は下降を始め、特にコロナ禍となった2020年12月期以降は大きく売上を落としている。直近3カ年は1000億円の大台を割り込む状態が続いており、売上水準からすれば、2009年12月期よりも下にある。営業利益率については、ピーク時には遠く及ばないものの、未だ10%台を維持しているが、これは、最高峰ブランド「B.A」をはじめとするハイブランド戦略にシフトしたことで、未だ高収益体質をキープしているとみられる。しかし、売上低迷とともに営業利益率も低下の一途を辿っており、このままの状況で推移すれば、今期(2025年12月期)には10%を割り込むことも十分に予想される。

懸念される販売
現場とのギャップ


 ポーラブランド低迷の原因については、主力の委託販売チャネルの苦戦が最も大きい。グラフ2では、ポーラブランドのチャネル別売上構成比と、「ポーラ ザ ビューティー」を含む国内拠点数の推移を示した。2019年12月期からカウント方式が変更されたため、それ以前とはグラフの内容が異なるが、委託販売を含むPB(ポーラ ザ ビューティー)や店舗スタイルで展開するエステインを含む売上構成比は、2018年12月期の時点で87・4%と、9割弱に上る。

(続きは2025年3月6日号参照)