ダイレクトセリング化粧品 「パーソナライズド」の難しさ
激化する開発競争
消費者の真の需要≠ヌこに
▲遺伝子検査≠ニいうフックをどう活用できるかがカギの「Gene Lab」(日本メナード化粧品)
化粧品市場では、高機能・高付加価値をうたったハイブランドと、機能性と価格のバランスを備えたコスパ重視ブランドの二極化が進んでいる。コスパ重視といっても、近年は機能性も充実しており、美白やエイジングケアといった2大ニーズに十分に応えられるアイテムも多い。また、「シワ改善」で訴求するアイテムも、既にハイブランドの専売特許ではなく、さまざまな価格帯で売られるようになった。ハイブランドのアイテムは、もともとブランドへのローヤルティが高いロイヤルユーザーを想定したものだが、顧客離れを防ぎ、新規顧客を獲得するために、各社は高い機能性を付与することが多い。中でも強い訴求力をもつのが「パーソナライズド化粧品」だ。
機能性重視の風潮追い風に
「パーソナライズド化粧品」とは、ユーザー1人ひとりの肌や感性、ライフスタイルに合わせて最適なアイテムを提案する化粧品カテゴリーだ。化粧品分野全体では、「敏感肌用」「脂性肌用」など、肌質に合わせてブランドを展開するケースが多いが、「パーソナライズド化粧品」はそこからさらに踏み込んでより細分化されたニーズに対応することが狙いだ。化粧品市場では価格帯を問わず機能性重視のトレンドも続いており、日本メナード化粧品ではこれを追い風に、2月21日にパーソナライズド化粧品「Gene Lab(ジェネラボ)」を投入する。名古屋大学と協同で実施する遺伝子検査をベースに、その人に最適なケアとアイテムを提案する。化粧品を購入するには、まず販売員やWEBから「検査キット」(税込1万1000円)を購入し、アンケートともに、角質や唾液を採取した検査キットを送付。その後、2カ月以内に結果と、検査結果にもとづいた美容液「ジェネラボ エッセンスA」「(全6種・各1万3750円)、「ジェネラボ エッセンスX」(全6種・各1万3750円)を提案するチラシが送られてくる。その後は販売員のフォローやメナードサロンへの来店を促すことで定期的な肌チェックやカウンセリング、商品の販売につなげていく狙いだ。
企業の研究開発力や独自性を打ち出すことのできる「パーソナライズド化粧品」だが、必ずしも市場に受け入れられるとは限らない。現在、ダイレクトセリング化粧品市場で最も知られている「パーソナライズド化粧品」と言えば、ポーラの「アペックス」が出てくる。1989年に誕生したこのブランドは、当初「アペックス・アイ」という名称で知られていた。2014年のリニューアル時に名称を改称、その後も2019年、2024年とブランドの刷新を重ね、機能性を強化してきた。現行の「アペックス」では、タブレット端末やスマートフォンのアプリを活用したデータ分析を積極的活用し、画面や数値で肌の変化をより分かりやすく見せることを重視。さらに、公式アプリと連動して過去2年分の肌分析結果を記録し、将来の肌状態を見据えたアドバイスを行ったり、マスコットキャラクターとのやり取り、項目をクリアするごとにアプリ内の情報がロック解除されるなどのゲーミング要素を盛り込み、楽しみながら利用できるよう設計されている。それらの機能は、デジタルネイティブ世代をはじめとする若年層との親和性が高まった一方、シニア世代などのベテラン販売員からは取扱いに戸惑う声も聞かれ、課題もある。
ニーズ掴めず失敗した例も
ポーラでは、過去に「アペックス」以外の「パーソナライズド化粧品」を展開し、撤退した歴史がある。2002年、店販用のカウンセリング化粧品として「Cofu(コフ)」を投入、丸井などの百貨店で販売し、2008年頃まで継続したものの軌道には乗らなかった。