CRM重視の経営°ュ調 ポーラ小林社長・新戦略を語る
チャネル横断でリアル接点を創出 ベテラン販売員の不安、認識

▲「データの積極的な活用」に活路があると語る小林琢磨社長

オルビス時代の実績を踏まえて
小林新社長の就任から約3週間が経過した1月22日、業界紙誌を対象とした小規模な会合が東京・五反田にあるポーラ本社の一室で開かれた。前任者である及川美紀氏が社長に就任した2020年にも同様の形式で会合が開かれたが、今回も少人数形式で開催することで、小林社長が描くロードマップへの理解を深めてもらう狙いがある。ただ、及川氏就任時と現在とでは、ポーラが置かれている状況は大きく異なる。2020年当時は、コロナ禍が本格的に始まろうとしていたとはいえ、シワ改善ブランド「リンクルショット」が大ヒットしたことに加え、インバウンドの恩恵などもあって、業績的には大きな落ち込みはなかった。翻って現在は、特に委託販売チャネルの縮小が急速に進んでおり、これをどのように打開していくのかが新社長に課せられた難題と言える。
会合の場に登場した小林社長は、2002年にポーラに入社してからこれまで経歴を紹介。特に、2018年から2024年までの間、トップを務めたオルビスにおいては、「通販化粧品≠ニいうイメージのカテゴライズからの脱却」を推し進めたこと、ロゴやビジュアルの変更、さらには売れる商品≠フ構造を変え、より高い価格帯のブランドで新規およびリピート顧客を獲得していくスタイルを構築し、「オルビスというブランドそのものにメスを入れた」(小林社長)。結果、オルビスは3年連続で好調な業績を示しており、グループの中核ブランドという役割を果たしている。今回の人事も、オルビスにおける実績が評価されたことは確かであろう。
苦戦の委託販売データ活用に活路
続いて小林社長は話のテーマをポーラに移し、今後の展望を語った。グラフに示したように、ポーラの業績は2018年12月期をピークに下降を始め、コロナ禍から現在に至るまで惨憺たる状況が続いている。最大の要因は、ポーラブランドで6割の売上シェアをもつ委託販売チャネルに苦戦にある。同チャネルでは、委託販売員であるビューティーディレクターによるダイレクトセリング、「ポーラ ザ ビューティー」「エステイン」などのリアル店舗におけるカウンセリング販売が主たる販売方法だが、コロナ禍を機にビジネスモデルと消費者の購買行動の間に齟齬が生じ、改善できていないのが現状だ。ポーラは、及川前社長時代から顧客IDを全チャネル(一部除く)で統一して一括管理するシステム「ポーラ プレミアム パス(PPP)」を導入したり、オンライン・オフライン両軸の新しいサロン網の構築、化粧品専門店への出店など顧客接点の創出を試みてきたが、具体的な実績としてはあらわれていない。