ダイレクトセリング化粧品

高価格路線のアンバランスさ

顧客接点の減少がネックに
「販売員の高齢化」どう活かすか



▲ポーラでは「リンクルショット メディカルセラム デュオ」のヒットに期待をかけるが…
 ダイレクトセリング化粧品分野では、コロナ禍以降、売上面で苦戦が続く企業が少なくない。背景には、従来型のサロンビジネスが、消費者のライフスタイルの多様化によってニーズをキャッチしづらくなってきたこと、販売組織の高齢化に伴う営業力の低下が挙げられる。商品面では、セルフ市場でコスパ重視の化粧品が人気を博しており、物価高の折、このトレンドが続いている。高価格帯を強みとしてきたダイレクトセリング系企業にとっては厳しい環境だが、老舗を中心に「高付加価値・高価格路線」を強化し、購入単価アップによる売上増を図る動きがみられる。化粧品市場の二極化によって従来の施策を先鋭化させるものだが、課題も山積している。

市場の二極化 さらに顕著に

   「高価格帯とセルフ向けアイテムは好調だが、中間の価格帯は難しい状況にある」。ある老舗化粧品企業の幹部の発言だ。化粧品市場では、高級路線とコスパ路線の二極化がコロナ禍前からみられたが、消費者の購買行動が変化や物価高による可処分所得の減少といった影響で、この傾向はさらに顕著になっている。先の化粧品企業幹部の発言は、市場トレンドと自社の業績を踏まえてのもので、「中途半端な商品では消費者のニーズを掴むことができない」という意味合いを含んでいる。ダイレクトセリング化粧品分野では、二極化によってハイブランド¥d視の傾向が強まっているが、先行きは必ずしも明るいものとは言えない。
 例えば、最大手のポーラはもともと、最高峰ブランド「B.A」などの高価格アイテムを大々的にプロモーションすることで、ブランドイメージの刷新と美容に高い関心をもつコア層の獲得につなげてきた。2024年に同社が発売した高価格アイテムをみると、7月にリニューアル発売した「APEX」シリーズをはじめ、税込価格13万2000円のクリーム「B.A グランラグゼ O」、美白ブランド「ホワイトショット」シリーズなど多岐にわたる。シワ改善≠ナ大ヒットとなった「リンクルショット」シリーズも限定アイテムを発売したほか、来年1月には新アイテム「リンクルショット メディカルセラム デュオ」(税込1万9800円)を投入し、テコ入れを図る狙いだ。しかし、業績面では不振に苦しんでいる。直近の第3四半期では、ポーラブランドの売上高は前年同期比6・2%減の683億3300万円、営業利益が同16・4%減の77億6400万円と、減収減益が続く。

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切り捨て≠ェ衰退を招く?

 コロナ禍を機に上り調子のトレンドが消失し、売上が急減しているポーラでは、シニア世代のベテラン販売員の引退、「ポーラ ザ ビューティー」など店舗の閉鎖が急激に進んでおり、営業力の低下が顕著だ。 

(続きは2024年12月12日号参照)