次期「消費者基本計画」

特商法見直し、素案で見合わせ

消費者委員会では討論続く、消費者庁に再度「注文」
「ソフトロー寄り」問題視、「工程表廃止」に異議



 国の消費者政策の方針とその大枠を定めた「消費者基本計画」。5年毎に策定されており、現在、25年度〜29年度を対象とする次期計画の審議が大詰めを迎えている。ダイレクトセリング業界の関心事である特定商取引法の改正検討は、10月29日公表の素案に盛り込まれなかった一方、これに異を唱え続けているのが消費者委員会だ。素案が出る前、消費者基本法に基づく意見書で、訪問販売等における事前勧誘拒否制度や連鎖販売取引の参入規制などの検討を盛り込むことを要請。しかし、消費者庁が反映を見送ったことから、国の指針・業界自主規制によるソフトロー寄りの記載、毎年度策定してきた工程表の廃止に「注文」をつける形で、改めて働きかけを強めている。

 

「十分、留意を」


   「消費者庁におかれましては、本日、委員よりご指摘のあった事項について、十分ご留意いただいきたい」「12月に予定されているというパブリックコメントまでに、次期消費者基本計画の策定に向けた検討を進めていただきたい」。
 11月11日に開かれた第446回消費者委員会本会議。ここで議題となった次期消費者基本計画の素案をめぐり、鹿野菜穂子委員長は、各委員から相次いだ意見をまとめ、素案への反映の検討を同庁に念押しした。
 次期計画の策定は、消費者庁が2月に立ち上げた有識者懇談会でスタート。10月29日の懇談会で素案が合意され、本会議に諮られた。今後は、11月下旬の懇談会で原案にまとめ、パブコメの後、今年度中に消費者政策会議で決定を受ける(最終決定は来年度の閣議)。
 業界が注目を寄せる悪質事業者対策関連の方針(表参照)は、現行の第4期計画(20年度〜24年度)に見られない記述として、デジタル社会の急速な進展によって登場した新たな商法・手口に法規制が追い付いていない旨を指摘。「悪質事業者に対しては、行政法や罰則は有効であるものの、新技術の分野で、制度のすき間を利用して消費者に不利益な商品・サービスを提供しているといった場合には、法的規制のみで対応することは難しい」とした。
 その上で、行政と事業者、消費者の連携・協働によって、「消費者の視座に立った公平・公正な取引環境が整備される」と強調。業法等の規制がない分野、新たな事業分野について「ハードな法制度だけでなく、ガイドラインの策定等のソフトな手法も活用」する方針を盛り込んだ。
 事業者団体がない業界は、団体の設立などによる自主的取り組みを促進するとされた。事業者サイドとの連携・協働によるソフトロー活用を積極的に進めたい考えが浮かび上がる。

現行法の枠を出ず


 もちろん、特定商取引法関連の記載も存在する。
 

(続きは2024年12月5日号参照)