東京都・2023年度の「消費者相談件数」

訪 販…「屋根工事」最多も18%減、修理系22%増
マルチ…過去最少更新、20代の割合が12?低下


ダイレクトセリング化粧品市場では、コロナ禍からの脱却にあわせて、ビジネスモデルの変革が急ピッチで進められている。しかしながら、サロンビジネスの苦戦などにより、改革は必ずしも順風とは言えない状況にある。本連載では、老舗・大手企業の業績面からその要因を読み取っていく。


 東京都が9月13日までにまとめた2023年度の「消費生活相談年報」によると、販売購入形態別の相談件数(苦情・問合せ・要望の合計)は、前年度比で「訪問販売」が増加、「マルチ(まがい)商法」が二ケタ減となった(グラフ参照)。相談の中身は、訪販で前年度に続いて、屋根工事やトイレ詰まり解消等の住宅設備関連のトラブルが目立った。マルチは健康食品やアフィリエイト等の副業が上位に入った。相談者の年代は訪販で70代以上、マルチは20代が中心だった。

訪販9%増、「給湯」5倍


 「訪問販売」の相談件数は前年度比で9.2%増の1万1069件。過去10年(14年〜23年)で見た場合、21年度(1万1671件)に次ぐ多さだった。
 相談の多かった商品・役務の上位3品目は、
(1)工事・建築・加工
(2)修理・補修
(3)役務その他――で、
前年度と変わらず。前年度比と件数は(1)が8.6%減の2320件(2)が22.7%増の1651件(3)が26.8%増の1174件。(1)〜(3)で訪販全体の46%を占めた。
 (1)の最多は、屋根の無料点検等を口実に工事契約の締結を勧誘する「屋根工事」が1279件。前年度比は17.9%減だった。(2)はトイレ詰まりの解消・修理などを勧誘する「修理サービス」がほとんどを占めた。(3)は副業コンサルティングや廃品回収サービスがみられた。
 (2)は近年、契約額の高額化の傾向がみられ、23年度は「10万円以上〜50万円未満」の割合が59.2%を占めた。

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(続きは2024年10月10日号参照)