ポーラ 止まらない化粧品専門店への出店
=北海道・旭川市に7店舗目= 懸念される商圏の競合≠ノ現場は
郊外・都心部の両面作戦を展開
ポーラ(本社・東京都品川区、及川美紀社長)の出店攻勢が止まらない。同社は、4月に静岡県磐田市のコスメセレクトショップ「REBIRTH ららぽーと磐田店」、6月に兵庫県姫路市の「LOOK姫路グランフェスタ店」、静岡県浜松市の「パルファン・イオンモール浜松志都呂店」にポーラコーナーを出店。さらに、9月6日には、わたなべ(本社・山口県山口市、金原史直社長)が展開する化粧品専門店「ビューティー&ヘルス わたなべ」(山口県山口市)と「ラ・セサミ おのだサンパーク店」(山口県山陽小野田市)に同時出店を果たし、さらに、10月25日には、北海道旭川市の化粧品専門店「COSME910 イオンモール旭川駅前店」にポーラコーナーをオープンする。これで、化粧品専門店への出店は7店舗目となる。
同社はこのところ、ブランド力の強化を目的に、サロン展開においては、リアル・デジタル施策を基軸とした新たなスタイルのOMOサロン網の構築準備を進めている。高付加価値ブランドとしてのポーラを30〜40代など美容に関心が高い層へアピールする狙いだ。既存の「ポーラ ザ ビューティー」は、地域の特性に合わせた店舗運営を行い、OMOサロン網との差別化を図っていくという。化粧品専門店への出店は、コロナ禍を経て変化した消費者の価値観やライフスタイルの受け皿の1つという位置づけ。これも、OMO戦略でECなどオンライン経由でポーラブランドにアプローチしてきたユーザーに対し、リアル接点を拡充することで顧客のフォローを強化する狙いがある。郊外型の商業施設で、ファミリー層をはじめ幅広い世代が集まる立地に出店することで、急速に減少している全国のショップ網をカバーする取り組みと言える。
また、同社は同時にハイブランドとしての付加価値向上にも力を入れており、9月12日に東京・渋谷にオープンする新店舗では、最新の肌分析のサービスなどを提供する。同店舗は、渋谷駅直結の渋谷スクランブルスクエア6階で営業し、アクセスの良い立地で、これまでポーラブランドに触れて来なかったユーザー層などに訴求していく方針を示している。
急ピッチの施策背景に危機感か
これらの店舗戦略の背景には、言うまでもなく主力の委託販売チャネルの営業力低下がある。
(続きは2024年9月19日号参照)