エステJIS DS系サロンの関心、現時点で薄く

「化粧品ブランドの信頼が前提」


 エステティック業界の第三者機関である日本エステティック機構(所在地・東京都千代田区、福士政広理事長、略称・JEO)では、 エステティック産業に関するJIS開発(いわゆる「エステティックJIS」)を進めており、先ごろ概要が公表された。 2026年2月に原案を提出する予定で、業界内の各団体による「生産者」委員、有識者を中心とした「中立者」委員、消費者団体等の 「使用者」委員など、多様な角度でJIS規格の開発を行っていく方針を示している。
 この背景には、エステティックサービスに関する消費者相談の増加がある。エステサービスは高額な契約や施術トラブルなど、 消費者からの相談件数が多い傾向にあり、PIO―NET)に寄せられた相談は、2016年度が7019件、2017年度が8687件、 2018年度が6441件、2019年度が6222件、2020年度が5825件、2021年度が6969件と、 概ね5000〜8000件の間で推移してきた。かつて、年間1万件前後で推移していたことを踏まえると件数の減少がつついていたが、 2022年度は2万2323件と急増。脱毛サロンの倒産やそれに伴う返金といった相談が全国の消費生活センターに寄せられたことが主な要因だ。 こうした経緯を踏まえ、JEOでは、新規参入の事業者による消費者トラブルが増加しつつある中、 業界内の自主基準として浸透している「エステティックサロン認証基準」を、JIS標準へとアップデートすることで、 エステティック業界としてのサービス品質の向上を目指すとともに、金融等のエステティック業界関連基幹産業への影響力を強化し、 消費者をはじめとした市場全体に対するエステティックサービス品質の信頼性を高めるとしている。

(続きは2024年9月12日号参照)