ダイレクトセリング化粧品 高付加価値のトレンド続く

「ハイブランド化」で差別化 古い世代≠ニの乖離広がる


  ダイレクトセリング化粧品分野では、昨年から最高級・最高峰クラスのブランドをテコ入れする動きが続いている。 ”脱コロナ”を追い風に需要を喚起するべく、各社が新ブランドの投入や、既存ブランドのリニューアルに力を入れている。 最新の研究技術をフィードバックして付加価値を訴求する取り組みは、従来型訪販が主流であった時代から、 このビジネスモデルの基本戦略と言える。一方で、コロナ禍を機に、顧客接点そのものに変化があらわれ始めており、 オンライン・オフライン両軸で顧客の掘り起こしが進められている。顧客ニーズが販売チャネルによって異なるケースもあることから、 商品政策にも従来以上に細やかな展開が求められる。

 

先行するイメージ現場は昭和♀エも


    ポーラが7月1日に発売したパーソナライズドブランド「APEX(アペックス)」は、5年ぶりに刷新した同社の看板ブランドだ。 今年で35年目、今回で7回目のリニューアルとなったが、同社の最高峰ブランド「B.A」とともに、 今後の事業展開の柱と位置づけられている。同社が現在推進しているOMO戦略サロンにおいても「APEX」 は取り扱いブランドとしてラインナップされており、従来型訪販時代から培ってきたカウンセリングのノウハウに、 最新の肌分析データを強みに、幅広い世代に訴求していく。特に、今回はアプリ連動を強化しており、公式アプリ「肌ログme」と連動し、 過去2年分の肌分析結果を記録することで、分析結果やアドバイスを確認することができる。また、アイテムの使い方や、 コンテンツ「CARE TALK」では、アプリ内のキャラクターがさまざまな会話を通してケアのモチベーションを上げるという。 公式アプリは、コロナ禍の中でリリースされたサービスで、顧客との直接対面が難しい時期に、 デジタル技術を使ったコミュニケーションツールとして活用されてきた。新「アペックス」では、 コロナ禍で培ってきたノウハウをフィードバックし、ユーザーとの密着度を高めているのが特徴となっている。
 現在、ポーラでは、販売チャネルを横断してサービスを提供する「ポーラ プレミアム パス」(PPP)を軸に、 ビジネスモデルの構築を急いでいる。販売員の高齢化等を背景に委託販売チャネルの縮小が止まらない中、 ECをはじめとする別チャネルのシェアが増加、特に今後、長期的にポーラブランドのユーザーとなり得る若年層を囲い込むために、 この世代への親和性が高いシステムの導入に積極的な姿勢を示している。新「APEX」でも、この傾向は顕著で、 デジタルネイティブ世代が関心を示しやすい仕組み≠ェ組み込まれている。また、9月12日に東京・渋谷にオープンする新店舗でも、 肌分析のサービスを提供する。

(続きは2024年9月12日号参照)