連鎖販売規制・質問主意書で政府が見解
参入規制、否定した河野答弁≠踏襲
厳罰化・被害救済、
モノなし¢ホ策は「回答困難」
連鎖販売取引に対する参入規制制度の導入などを問う野党議員の質問主意書(※)に対して、政府は6月18日、制度に否定的見解を示した前消費者担当大臣の答弁を踏襲する答弁書を定例閣議で決定し、野党議員に送付した。質問主意書では、「悪質マルチ」に対する法規制の厳罰化や被害救済措置の拡充、いわゆる「モノなしマルチ」対策における政府の方針も訪ねたが、答弁書では回答が難しいとされた。 登録制「いい案でない」
質問主意書は「悪質な経済事犯や連鎖販売取引への対策に関する質問に対する答弁書について」。衆院の井坂信彦議員(立憲民主党)が6月7日に議長へ提出し、承認を受けた上、同12日に内閣に転送されていた。
質問主意書では、韓国やタイ、米国の一部の州が連鎖販売に登録制や届出制を設けていると指摘。連鎖事業を行うための「参入規制を厳しくし、情報の開示を行うことで、悪徳業者の参入障壁を作ることができる」として、日本における「登録制などの導入は検討されているか」を訊いた。
これに対して答弁書では、23年3月30日の衆院・消費者問題特別委員会で、本村伸子議員(共産党)が連鎖販売の事前審査・登録制度への見解を尋ねたことに対し、否定的見解を示した河野太郎消費者担当大臣(当時)の答弁を引用して、「(河野大臣が)答弁したとおり」と回答した。
昨年の委員会で河野氏は、連鎖販売に登録制度を設けた場合、「(政府が)審査しなければなりませんので、かなりの行政コストがかかります」「行政コストとその効果が見合うのかどうかというところは若干疑問」「登録を認めると(中略)国が特定の連鎖販売業者に事実上のお墨つきを与えることになる」「(登録制度は)余りいい案ではない」と答弁していた。
(続きは2024年7月11日号参照)