訪販協 訪販の自主基準改定、認知症の特徴を記載
連鎖販売の基準、有力案に投資用教材制限
訪問販売企業向けの自主行動基準の見直しを進めていた日本訪問販売協会(事務局・東京都新宿区、竹永美紀会長)は、5月21日の理事会で、販売員が注意を払うべき認知症の具体的特徴を追記した改定案を承認した。契約相手の理解度を確認する事項の追加も行った。見直しを継続する連鎖販売取引の基準は、若者を中心にトラブルが多い投資用教材の取り扱いを縛るアイデアが浮上している。 改定点は2カ所(表参照)。承認した5月21日より運用を始めた。
自主行動基準は、正会員企業が訪問販売事業において遵守・留意すべき事項を定めた「全般」の中で、勧誘に際して、
・消費者が通常の判断力を有しているかについて注意を払うこと
・懸念される場合、直ちに勧誘をやめて退去するか、自主行動基準を遵守しつつ適切な対応に努めること
――を求めている。
このうち、前者の注意を払うべきポイントに、認知症とその具体的特徴を追記。
・理解が不十分でもわかっているように返事をしたり、自分が理解できていないことを悟られないように理由付けを行ったりする「取り繕い」
・周囲の者の発言にすべて合わせようとする「同調性の高まり」
――の特徴がみられることを記載し、これらに注意を払うよう努めるものとした。
従来の自主行動基準も、相手の判断力不足に乗じた勧誘活動を禁じる項目の中で認知症を例示していたが、その具体的特徴には触れていなかった。
もう一点の改定は、契約締結の実務において、消費者が契約の意思を決めた時、契約に対する相手の理解度を改めて確認するよう努めなければならない項目の中で、追記を実施。従来からある契約対象の商品等、その契約代金総額、支払方法に加えて、
・契約の解除等の方法
・相談を申し出る連絡先
――を記載した。
(続きは2024年6月6日号参照)