消費者庁が特商法で リフォーム訪販5社に業務停止命令


最長18カ月、うち2社は過去にも処分


木材に施工すれば、優れた防水性による撥水効果でズレ、割れの進行を抑える効果があるかのように告げていたなどとして、消費者庁は5月23日、連携共同して住宅リフォームの訪問販売事業を行っていた5社に特定商取引法違反で業務停止命令と指示を出した。5社のうち2社は、それぞれ19年と20年にも同庁より特商法違反で訪販事業に停止命令を受けていた。


相談592件最高12百万円


 処分を受けた5社は
(1)「NEXT STORIES」(所在地・大阪市北区)
(2)「ネオガイアホールディングス」(同・神戸市中央区、佃祐介代表)
(3)「メノガイア」(同・神戸市中央、和田英男代表)
(4)「さくらメンテナンス工房」(同・神戸市中央区、大城悟志代表)
(5)「ホームラボ」(同・神戸市中央区、鈴木祐太代表)。
(1)(2)は不実告知と書面不備の違法行為を認定。(3)は不実告知のみ、(4)(5)は書面不備のみを認定した。
 業務停止の期間は(1)(2)が18カ月、(3)が15カ月、(4)(5)が6カ月。(1)の代表取締役の「壹岐徹弘」には業務禁止を命じた。処分を行った取引対策課によれば、代表に業務禁止を命じた(1)が、5社が連携共同する中で主導的立場にあったという。
 一方、訪問販売による勧誘、契約締結プロセスにおいて、5社がそれぞれどのような役割を分担していたかについては「回答を差し控える」とした。
 過去に同庁から処分されていた2社は(3)および(4)で、(3)は20年3月に15カ月の業務停止、(4)は19年12月に12カ月の業務停止を命じられていた。
 PIO―NETで集計されていた5社関連の相談件数は、20年1月~24年4月7日の期間で計592件。相談当事者のうち、契約額が判明しているケースの平均契約額は約130万円で、最高額は約1200万円だった。属性は無職と家事従事者で56%を占め、年代は60歳代以上が70%弱を占めた。相談当事者の主な居住地は大阪、兵庫、東京。

(続きは2024年6月6日号参照)