トップインタビュー タイセイ 耳塚 嘉之 社長

会員はビジネスパートナー、社内の意識改革徹底

 ”回帰水生水器(浄水器)”を主力に、MLM組織のグリーンプラネット(東京都中央区)と連携・協働するタイセイ(本社・福岡市中央区)。5年前、買い切り形式の従来プランに加えて、レンタル形式の追加プランを導入し、販路の拡大を進めてきた。2種類のプランの運用や販売の状況について、創業者である耳塚信夫氏の長男で昨年3月、代表取締役社長に就任した耳塚嘉之氏に聞いた。 (インタビュー実施日は4月3日)  
▲タイセイ
耳塚 嘉之 社長

社員と会員の間に「適切な線引き」

――昨年3月、社長に就任した。就任後、力を入れてきた取り組みを伺いたい。
 「社内の風通しを良くして、適材適所な人材配置に努めてきた。その仕上げのような形で、4月中旬から、それぞれの責任範囲の明確化などを目的とする社内体制に改める。3月の終わりには全社員を集めて、今後の方向性を示すとともに意識を一つにしていくための場をもった。また、(グリーンプラネットの)会員との関係における当社の立ち位置と、社員と会員の距離感について改めて考え方を示した」

――具体的には。
 「現在の会員数は約1万人。この会員の方々は、当社にとってお客様であると同時にビジネスパートナーでもある。しかし、どうしてもお客様という側面が優先され、ビジネスパートナーという観点が抜け落ちてしまうところがあった。そこで、私の社長就任を境に、時間をかけて社員の意識改革を進め、ビジネスパートナーであるという部分の浸透を図ってきた」

――従来は、グリーンプラネットが「理事会」を中心としたリクルートと販売活動を担い、タイセイがメーカーとして浄水器等を製造・供給する”製販分離”型のモデルを取ってきたが、2018年~19年にかけて、「理事会」を終了し、タイセイの主導で浄水器のレンタルサービスを開始するなど体制転換に着手した。
 「その頃から、事業全体に占める当社のウェイトが大きくなってきた。そのこと自体に問題があるとは考えていないが、一方で、社員と会員の間にあるべきラインがあいまいになっていた。なあなあにも捉えられる関係は、社員と会員のどちらのためにもならない。意識改革の中には、適切な線引きを行うことも含まれた」

レンタル式プラングリーンPに移管

――体制の転換後は、従来型のMLMである「エージェントプラン」とレンタル方式の「ライフプラン」の2つのプランを運用してきた。
 「終了した『理事会』に置き換わるような形で、2つのプランそれぞれに『委員会』を設けて、そこに委員として参加する会員から意見を聞き、現場との連携を図ってきた。ただ、2つの『委員会』の意見をどのようにすり合わせていくかといった課題もあったことを踏まえて、2年前、『ライフプラン』の運営を当社からグリーンプラネットに移管した。

(続きは2024年5月23日号参照)