ヤマノHD24年3月期連結売上 0.5%減の138億円

訪販(DSM事業)の不振続く

ヤマノホールディングス(本社・東京都渋谷区、山野義友社長)の2024年3月期は、連結ベース売上高が前期比0.5%減の138億3700万円となった。
 損益面は、売上原価率が同0.2ポイント上昇の49.1%、販管費率が同0.3ポイント上昇の50.1%となった結果、営業利益が同66.2%減の1億円、経常利益が同64.4%減の1億200万円、当期損失が2800万円となった。
 セグメント別の実績では、主力の和装宝飾事業は、店頭および展示会販売での集客・売上が回復傾向にある一方で、物価上昇の影響で客単価減少などがあったことから、売上高95億7900万円(前期比2.5%減)となった。損益面では、売上減少に加え、採用強化に伴う人件費等のコスト増があったことから、セグメント利益1億3800万円(同53.3%減)となった。コロナ禍で縮小していた「前楽結び着方教室」や「きもの会」については、開催数、参加者ともに前年を上回る規模で開催したが、物価上昇を背景とした消費者心理の低下で顧客単価が落ち込んだ。
 訪販等で展開するDSM事業は、縮小傾向が続いた結果、売上高8億6800万円(同8.2%減)、セグメント損失4900万円となった。コロナ禍の中で、需要が高まった健康関連商品の販売を推進して訪販チャネル強化を進めた。同事業では、「モノ」から「コト」へのニーズ変化に対応する新サービスとして、「暮らしの安心サポート」をスタートさせ、新規・休眠顧客の開拓による収益改善を図っている。しかしながら、販売員や顧客の高齢化を背景に、明確な打開策を打ち出せない状況が続いている。

(続きは2024年5月23日号参照)