消費者委員会 訪販の事前拒否制度、「マルチ」参入規制を要望
次期「基本計画」策定で、破綻必至商法への対策も
国の消費者政策の基本方針を示す「消費者基本計画」の次期5カ年度分(25年度〜29年度)の策定が進められていることを受けて、消費者委員会は4月22日、消費者基本法に基づき、同計画への反映を求める項目を意見書にまとめ、公表した。この中で、訪問販売と電話勧誘販売に事前の勧誘拒否制度を導入することや、連鎖販売取引に参入規制を設けることを要望した。いわゆる”後出しマルチ”の抜本的対策や、”破綻必至商法”に行政が破産手続きを申し立てる権限の検討なども求めた。
後出しマルチに「抜本的対策」
消費者委員会は昨年10月より、消費者庁をはじめとする関係行政機関や有識者のヒアリング等を実施。ここでの結果や消費者団体等との意見交換、過去に出した建議・意見等の内容を踏まえ、意見書にまとめた。 意見書では、次期5カ年に取り組むべき消費者政策の重要テーマを
(1)長年消費者が悩まされてきた「従来からの課題への抜本的な対策」
(2)近年登場した財・サービスが引き起こす「新しい消費者問題への消費者視点からの対応」
(3)消費者法制度のパラダイムシフトや消費者行政の体制整備を中心とする「消費者政策の基盤整備」
――の3つに整理。 (1)では、消費者に不利益をもたらし得るビジネスモデルの対策を徹底するためとして、特商法の見直しや、相手方の特定が困難だったり業法がない等の理由で消費者トラブルを生じやすい事業形態への対応、消費者に不利益をもたらす商慣行の撤廃、破綻必至商法への対応の必要性を指摘した。
具体的には、特商法の「更なる改正、罰則の強化等の対策を講ずることが望まれる」と提言。訪問販売や電話勧誘販売で「事前拒否者に対する勧誘を禁止する制度」や、「マルチ商法の参入規制」の導入が「望まれる」とした。
(続きは2024年5月9日号参照)