担当者に聞く ポーラ 新サロン戦略の狙いと展望
ポーラ(本社・東京都品川区、及川美紀社長)は、ダイレクトセリング化粧品最大手企業として、市場に数々の影響をもたらしてきた。 現在、同社はOMOを基軸とした新たなサロン網の構築という、「次の一手」に向けた準備を進めている。コロナ禍を経て、 販売員や拠点の減少がみられる中で打ち出された新サロン戦略の展望について、執行役員TB事業企画担当の荘司祐子氏に聞いた。
(TB事業=トータルビューティー事業)
▲ポーラ
執行役員TB事業企画担当
荘司 祐子 氏
執行役員TB事業企画担当
荘司 祐子 氏
――2月のポーラ・オルビスホールディングスの決算発表で、OMO戦略サロンの大枠が明らかにされました。 OMO戦略サロンは旗艦店「ポーラ ギンザ」を頂点としたサロンに次ぐ位置づけとなる構想となっていますが、まずこの経緯について伺いたい。
「ポーラでは元々、地域に根ざしたサロンを出店してきましたが、皆様にもっと知っていただけるようなサロンを構築していこう――例えば、 大都市圏にハイグレードなエステサロンをオープンさせ、また地方都市ではポテンシャルの高い立地に店舗を再配置して利便性を高めようと考えています。 お客様に出会える出店戦略・地域戦略にもとづいたサロン展開として、店舗ブランディングによる新規顧客来店と顧客継続を高めていくことが骨子にあります」
――OMO戦略サロンは、ハイグレードなエステサロンとしてポーラブランドを訴求する役割を担うようです。 これまでは「ポーラ ザ ビューティー(=PB)」が長年にわたってそのような役目を果たしてきたように思います。
「これまでのポーラ ザ ビューティーといったサロンも同様に目指していましたが、今回のOMO戦略サロンには、 オンラインのお客様にもより体験価値を高めていただけるように、より本社としての戦略を反映し展開していこうと思っています」
――具体的には。
「現在、リアル体験≠ノ再び注目が集まっています。ポーラが持っている強みは、お客様一人ひとりに向き合った丁寧なカウンセリングや、 真心のこもった手渡しの文化、或いはお客様に非日常を感じて頂けるようなエステ体験にあります。お客様に伴走させていただき、 その方に豊かな時間を届けていくためには、店舗に来ていただく機会づくりとともに我々やサロンオーナーの変化が必要です。 このリアルの体験を強みとして改めて訴求するためにも、サロンのしつらえや体験していただくサービスの再設計、提供するコンテンツ、 営業体制も含めて再構築を行っていきます。それは結果として、お客様が足を運びたくなるようなワクワク感≠ナあったり、 利便性に繋がる面で大きく変化させていく予定です」
――プロフェッショナルなサロンオーナーがOMO戦略サロンでも軸になっていくと…。それを担う人材の育成はどのようなスキ ームを考えていますか。
(続きは2024年4月18日号参照)