2023年度の特商法執行

延べ処分数2年連続増、前年比は37%増
事業者数ベースでも増加、国は倍増


2023度(23年4月〜24年3月)に行われた特定商取引法違反の行政処分は、延べ件数が129件で2年連続の増加となった。過去2年(21年度〜22年度)は、コロナ禍の行動規制等を背景に件数を大きく減らしていたが、いわゆるコロナ明けとともに20年度以前の水準に戻した格好。より実態に近い事業者数ベースの処分件数も増やしており、中でも国による処分数は倍増。電気・ガス小売り事業者の大型処分や「特定関係法人」規定の行使、WEB通話を電話勧誘販売とみなした処分にも着手した。

    

コロナ以前の水準に


   23年度の特商法処分の延べ総件数は129件で、前年度比は37%増(グラフ参照)。件数ベースは35件の増加だった。件数の増加は2年連続。
 過去5年(18年度〜22年度)の処分は、17年12月の改正特商法施行を契機に大きく増加した後、コロナ禍に入って以降は急減させていた。改正法施行にともなう増加は、新設された業務禁止命令の影響が大きく、以降のほとんどの処分で業務停止命令と禁止命令がセットで出されてきた。
 一方、コロナ禍では、違法な勧誘等を受けたと疑われる消費者への聞き取り調査や事業者の活動拠点への立入検査といった、法執行に必要な証拠固めのプロセスが行動規制等を背景に制約を受け、処分件数の減少につながっていた。
 これに対して23年度は、22年度より徐々に行動規制が緩和され、23年度のいわゆるコロナ明けなどを受けて、再び以前の水準に戻した格好。業務禁止命令を除いた延べ件数は90件で、過去5年で3番目に多い件数となった。

禁止命令開始後、最多


 執行主体別に見た延べ処分数と前年度比は、国(消費者庁と各経済産業局、沖縄総合事務局)が95件で179%増(件数ベースで61件増)、都道府県が34件で43%減(同26件減)。国が約2・8倍と大きく増やしたのに対して、都道府県は半減に近かった。国の延べ処分件数は、業務禁止命令の運用が実質的に始まった18年度以降で見ても、過去最多となった(従来の最多は19年度〜20年度の各89件)。
 国は、より実態に近い事業者数ベースの処分件数も増加。23年度は14件となり、22年度の7件から倍増させた(業務停止命令・指示・業務禁止命令の同時適用、単一事業者が行う複数の取引の処分、事実上一体となって活動していた複数の事業者の処分など、処分の重複カウントを除いて算出。国と都道府県の同時処分は各執行主体に重複カウント)。
 ただし、業務禁止命令が始まった後の事業者数ベースの処分数は19年度が18件、20年度が15件(20年4月の偽ブランド品販売事業者一斉処分は1事業者としてカウント)、21年度が23件で、これら3カ年度の件数は下回った。

(続きは2024年4月11日号参照)