東京都まとめ 成年年齢引下げ後の「若年層」相談状況

引下げ後も依然として「20歳」が境急増傾向は縮小、「マルチ」最多20〜21歳


 東京都が23年12月28日までにまとめた、成年年齢の引き下げがあった2022年度の「若年層(18〜24歳)」の消費生活相談データによると、20歳を境に相談件数が急増する傾向に以前と大きな差はなかったものの、急増傾向に縮小がみられた。引き下げによって、18〜19歳は未成年者契約の取り消しが適用されなくなっており、今後、トラブルの若年齢化が懸念されるとしている。

23年度上半期は1.8倍に縮小


 都内で寄せられた22年度の若年層の相談件数は8312件(前年度比10.2%増)。このうち、18〜19歳と20〜21歳の各相談件数を比較すると、18〜19歳の計1306件に対して、20〜21歳は計2612件で、2倍の差があった。
 ただし、21年度は18〜19歳で計1036件、20〜21歳で計2522件の相談が寄せられ、約2.4倍の開きがあった。このため、20歳を境とした件数の急増傾向に縮小がみられた。
 この縮小は、23年度上半期(23年4月〜9月)でさらに進展。18〜19歳は計640件、20〜21歳は計1164件と約1.8倍に差を減らしており、データでは「成年年齢引下げにより、この差が徐々に縮小していくことが予想される」「他の機関・組織等と積極的に情報共有・連携を行い、本人や周囲の人々への普及啓発等の被害防止対策を引き続き行う必要がある」としている。
 若年層相談の中身を商品・役務で見ると、18〜19歳に対して20〜21歳で大きな増加が見られたトラブルは、副業サイト等の「他の内職・副業」(4.85倍)、「賃貸アパート」(2.73倍)など。また、18〜19歳では上位10位以内にみられなかった、投資用情報商材等の「金融コンサルティング」、ビジネススクールが、20〜21歳ではランクインしていた。

(続きは2024年2月1日号参照)