本紙アンケート・45社の回答集計 収まらない「物価高騰」DS業界への影響は
60%で「影響が拡大」、2024年も拡大は50%
半数が値上げも価格転嫁苦慮、マイナス影響62%
「販促費」「容器」「原材料」「調達」を見直し
2022年より顕著となった物価高騰の波が今も収まらない。原料・輸送コスト等の上昇を背景として、ダイレクトセリング業界でも商品・サービス価格の値上げが相次ぎ、 顧客の購買傾向に影響を及ぼしているケースが見受けられる。円安傾向や人手不足にともなう人件費の上昇なども相まって、その影響が長引いている。そこで本紙は、 業界各社における物価高騰の影響や対応を訊ねるアンケート調査を実施。45社の有効回答をまとめた(調査概要参照)。
影響の変化・見通し
アンケートでは、原材料や輸送費、資材・包材などの高騰が、各社の事業・経営に及ぼしている影響に変化があるかどうかを調査(グラフA参照)。
集計の結果、「影響が落ち着いてきたと感じる」(1社)、「どちらかというと、影響が落ち着いてきたと感じる」(7社)が計18%だったのに対して、「影響が拡大してきたと感じる」(6社)、 「どちらかというと、影響が拡大してきたと感じる」(211社)が計60%と大きく差をつけた。
記述式で聞いた影響拡大の理由は、原材料や配送、倉庫、資材・包装、人件費などの上昇。主な影響は「生活必需品の物価高で、高価格品市場の販売促進活動が難しい」「定価を上げることができない」 「新商品・サービスの開始タイミングで物価が上がり、利益率に影響している」「荷物サイズや資材・梱包材を見直している」「嗜好品の購入減少」「全製品を海外から輸入しており、 円安もあって輸送費が高騰」などが寄せられた。
物価高騰の影響が今後どのように変化するか、その見通しについても聞いた(グラフB参照)。結果は、「影響が拡大してくると思う」(2社)、「どちらかというと、影響が拡大してくると思う」 (20社)が計50%となり、「影響が落ち着いてくると思う」(1社)、「どちらかというと、影響が落ち着いてくると思う」(5社)の計13%を大きく上回った。 「あまり変わらないと思う」(9社)も21%を占めた。
拡大見通しの主な理由は「人件費の上昇傾向が更に強くなる」「ロシア、ウクライナ、パレスチナなどの世界情勢」、落ち着くとの見通しでは「米国の利上げ終了にともなう円高の進展」などが寄せられた。
値上げ・価格転嫁
次に、2022年〜 2023年に、売上面で主要な位置を占める商品・サービス群の価格を引き上げたどうかを聞いた(グラフC参照)。結果は、「価格を引き上げた」(23社)が51%となり、 「価格は引き上げていない」(19社)の42%を9ポイント上回った。
(続きは2024年1月11日号参照)