ヤングリビング 月桃精油が頻尿を改善、リラックス効果も
臨床試験で確認、更年期うつ有効性検証へ
エッセンシャルオイル(精油)の原料となる月桃(げっとう、シェルジンジャー)を生産・製品化しているヤング・リビング・ジャパン・インク(東京都渋谷区、中川利光支社長)の子会社で、月桃の栽培と製品の研究・開発・製造を行う天然資源研究開発センター (以下開発センター、沖縄県うるま市、禹済泰共同代表)は23年12月19日、月桃の精油を使ったアロマセラピーによって、排尿障害の有意な改善やリラックス効果が確認されたと発表した。臨床試験データの取得は世界で初めてで、医療への応用が期待されるという。 現在は、更年期うつ症状への有効性を確認する臨床試験が最終段階に入っており、24年春以降の結果発表を予定する。
臨床試験には沖縄工業高等専門学校が協力。費用総額は1200万円で、うち8割は、沖縄県の令和4年度産学官連携製品開発支援事業による補助を受けた。
臨床試験では、治療薬がない心因性頻尿の女性ボランティア20人(16歳以上)に対して、シマ月桃と呼ぶ品種の月桃の精油による2週間のアロマセラピーを実施。頻尿になりそうな状況でアロマストーンに垂らした精油を嗅いでもらい、 試験期間中の排尿回数等を調査した。その後、2週間以上の間を設けて、同じ20人にシークヮーサーの精油で同様の試験を行った。
この結果、シマ月桃の精油において昼間の実排尿回数や尿意切迫感、切迫性尿失禁などの排尿障害で有意な改善が確認された。20分間のアロマセラピー後に採血した血液分析では、リラックスに関わる血漿ドパミン(※)濃度と収縮期血圧の低下が確認された。
比較対象としたシークヮーサーの精油でも、排尿障害の改善は認められなかった一方、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールが有意に低下した。
また、抑うつ状態に悩む女性10人(20歳以上)を対象とした、パイロット臨床試験の結果も報告。
(続きは2024年1月4日号参照)