第75回ダイレクトセリング実施企業売上高ランキング 前期比2.9%増の1兆3748億円に

アフターコロナで回復基調


 本紙が2023年12月に実施した「第75回ダイレクトセリング(DS)実施企業売上高ランキング調査(対象・DS=訪販・MLM企業)では、調査企業123社 (小売ベース60社、卸ベース63社)の小売ベースの売上高総額は、1兆3748億9300万円となった。前期と比較可能な122社の売上高総額は1兆3748億6400万円で、 前期比2.9%増、アフターコロナにおける社会経済活動の回復基調を反映したかたちとなった。これまでのビジネスで培ってきたリアル施策と、 ニューノーマル社会の中で新たに構築したデジタル施策の双方を活用することで、コロナ禍で多様化した消費者ニーズに対応したビジネスモデルの構築が進んでいる。

高付加価値の施策をテコ入れ


 回答企業を販売形態別(グラフ1参照)にみると、訪販が64社、MLMが51社となった。この2分野で回答企業の92.1%を占めた。売上ベースでは、訪販が6888億9100万円、 MLM5780億2800万円。小売・卸ベースともに上位の企業ついては表1および2に掲載。小売ベース11位〜60位、卸ベース11位〜63位については2面に表を掲載している。 前期売上で増収率が高かった企業についても、上位10社を2面でまとめている。小売・卸ベースの上位企業20社では、20社中10社が増収を達成した。
 訪販系企業では、ポーラは、直近の2023年12月期第3四半期では、ポーラブランドの売上高が前年同期比4.9%増の728億6000万円、 営業利益が同8.4%増の92860万円と、回復傾向にある。一方で、コロナ禍の水準には戻っておらず、主力の委託販売チャネルでは、 「ポーラ ザ ビューティー(=PB)」をはじめとするショップ数の減少が目立つ。コロナ禍前と比べて総ショップ数は約7割、PBは約4分の3にまで減少しており、今後、 顧客との接点をいかに確保していくかが課題となっている。エステのオンライン広告やSNSでの情報発信を強化するとともに、 「リンクルショット ジオ セラム プロティアン」などの新アイテムをフックに来店を促進。合わせて、多様化が進んだ消費者ニーズに合わせ、ダイレクトセリングを生かした柔軟な販売チャネルの設計、 利便性向上を図っている。OMOの推進、国内の顧客情報(ID)を統合し、各チャネルをシームレスにつなぐビジネスモデル「ポーラ プレミアム パス」では、 国内共通の顧客基盤を構築することで、チャネルを横断した綿密なフォローアップを狙う。

(続きは2024年1月4日号参照)