衆院・特別委で自見大臣が答弁 特商法改正に慎重姿勢、法執行・遵守の確認を優先

破綻必至商法対策は「悪質性の度合いに応じて」


▲11月16日の衆院消費者問題特別委員会で、
   自見英子消費者相(=写真、インターネット中継より)は、
   特定商取引法の執行・遵守状況を確認することや
   21年改正の効果検証を優先していく方針を答弁
 特定商取引法の〝施行5年後見直し〟附則などを理由に、特商法の大型改正を求める消費者系団体の動きが衰えを見せない中、 9月の内閣改造で消費者担当大臣に就任した自見英子氏(参院議員、自民党)が、10月に召集された臨時国会で、同担当大臣として初めて本格的な答弁に立った。 特商法改正の必要性を問われた自見大臣は、法の執行状況を確認することや21年改正の効果を検証していくことを優先する考えを述べ、当面の改正に消極的な見解を示した。 消費者担当大臣は、前任の河野太郎氏(衆院議員、自民党)も前の通常国会で同様の考えを述べており(5月4日号4面・6月8日号4面既報)、 両大臣において慎重な姿勢が維持される形となった。

「執行状況を注視し検討」


 自見大臣の見解は、11月16日の衆院・消費者問題特別委員会で野党議員の質問に答えたもの。
 特別委員会では吉田統彦議員(立憲民主党)が、〝施行5年後見直し〟を踏まえる形で、インターネット上の詐欺的な定期購入商法への対処を質問。 同商法に22年6月施行(改正は21年)の改正特商法で一定の規制がかけられた一方、昨年末より関連相談件数が急増している件に触れて、 広告画面・最終申し込み画面の規制が不十分なため「脱法事例が多発している」と指摘した。
 その上で、法改正による抜本的な対応を求めたのに対して、自見大臣は「消費者庁として、まずは改正法に基づく執行を適切に行い、 その遵守状況等を確認していく段階と考えている」「個別の具体事例についても遵守状況等を確認していく中で意識を高く持って対応していきたい」と述べた。
 吉田議員は、SNSやメッセージアプリのチャット機能を利用した勧誘・契約トラブルがすき間事案化している問題で、消費者委員会が7月、 電話勧誘販売と同等の規制や民事ルールの導入を求める報告書をまとめた件を取り上げ、この要請に基づく消費者庁の検討状況も質問。
 これに自見大臣は、WEB会議ツールを用いたオンライン通話でFXソフトの購入を勧誘していた「Liam(リアム)」を7月に特商法で処分した件にも触れて、 「このような取り組みを進めるとともに(中略)相談の実態、行政処分の状況など、様々な要素を勘案した上で、慎重に検討を積み重ねてまいりたい」 「まずは改正された部分の効果をしっかりと見定めなければならないと考えている」と答えた。

(続きは2023年12月7日号参照)