ポーラ 23年第3四半期 回復基調もコロナ禍前は遠く
ショップ数大幅減、顧客接点に課題
ポーラ・オルビスホールディングスの2023年12月期第3四半期では、ポーラブランドの売上高が前年同期比4.9%増の728億6000万円、 営業利益が同8.4%増の92億8600万円と、回復傾向にある。コロナ禍前の2019年12月期第3四半期実績では、売上高が1023億500万円、 営業利益が206億7600万円。今四半期と比較すると、売上高が28.8%減、営業利益が55.1%減となり、コロナ禍の3年間で受けた打撃の大きさを窺い知ることができる。
特に、主力の委託販売チャネルでは、「ポーラ ザ ビューティー(=PB)」をはじめとするショップ数の減少が顕著だ。2019年12月期第3四半期時点では、 ショップ数が4014店舗だが、今四半期では2727店舗と、1287店舗も数を減らしている。コロナ禍では外出機会の減少や営業の自粛・休止が続き、 それによってダイレクトセリングが得意としてきた対面によるカウンセリングおよび販売が大きく制限された。ポーラのショップ展開、特にPBは、 2000年代前半から同社が勧めてきた「脱・従来型訪販」の象徴とも言える事業で、その後、他の訪販化粧品系の企業がサロン展開を導入する契機ともなった。
(続きは2023年11月23日号参照)