白熱する「シワ改善」アイテム ダイレクトセリング化粧品
年代・性別問わず関心高く 独自成分の研究開発進む
〝シワ〟にフォーカスした化粧品は、長年女性の間で人気を誇ってきたが、近年は、性別・年代を問わずシワケアを行う人が増えている。コロナ禍でマスク着用生活が習慣化したり、 オンライン会議で目線が目元に集中しやすい環境が形成されたことで、そのニーズはさらに高まった。現在は、マスク着用の機会が減少し、美容トレンドも〝アフターコロナ〟 の動きに合わせたものとなっている。一方で、コロナ禍で人気が高まった〝おうち美容〟などは引き続き需要を獲得しており、シワにフォーカスした新商品も相次いで投入されている。 特に、高機能・高付加価値を訴求するアイテムの競争は熾烈で各社が独自成分などを配合し、差別化を図っている。
最高級ラインで新アイテム投入
「フェイシャリストサロン」を全国展開するシーボンは近年、新規マーケット開拓に向けた動きを強めている。2022年7月に投入した「シーボンパル」は、 「スキンケアという自己表現を楽しんでほしい」という想いのもとで開発され、シンプルステップでケアできる若年層向けのラインナップを展開。女優の深川麻衣さんをブランドアンバサダーに起用し、 SNSなどを活用して訴求を行っている。また、サロンでも自宅でも使える「2WAYスキンケア」をコンセプトとした「C’ores(コアズ)」や、 日常のスキンケアにフォーカスした「Focus」など、新ブランドを相次いで立ち上げた。
同時に、基幹ブランドのリニューアルも行っており、2021年10月には、最高峰エイジングケアシリーズをリブランディングし、「シーボン AC」として投入した。11月1日には、 〝進化系ハリ美容液〟と銘打って、「シーボン AC Vリフトセラム」(35ミリリットル・税込2万9700円)を数量限定で発売する。
「シーボン AC」シリーズは、紫外線研究を続けてきた同社が独自研究成果をもとに機能性アップと使用感のさらなる向上を目指した。シリーズ共通成分として、 独自複合型成分「OMNI SHOT4」を配合。同成分は、シワを改善し、シミを予防する有効成分「ナイアシンアミド」をはじめ、肌のハリや弾力をサポートする「紅繭エキス」 (独自開発原料)、乾燥による肌ストレスをケアし、若々しい肌印象に導く「カラー花酵母エキス」(独自開発原料)を配合。さらに、 アスタキサンチンを届けるために生まれた新技術「アスタキサンチン含有カプセル」を導入し、紫外線によるくすみや、乾燥ダメージのケアを行うという。
「シーボン AC Vリフトセラム」は、シワを改善するとともにシミを防ぎ、ハリを与える多機能美容液。シリーズ共通の「OMNI SHOT4」に加え、メドウフォーム油、 ゲットウ葉エキス、アルニカ花エキスを配合した。また、「ミクロスポンジ構造」を採用した。同構造がうるおい、美容成分やオイルを抱え込み、肌に塗布することで角質深くに浸透し、 同構造の薄いフィルムとメドウフォーム油が肌密着して肌に弾力とハリをもたらすという。容器には、ロゴデザイン「KODOU」が記されているが、 「まだ見ぬ美しさを呼び覚ます肌の鼓動。」というコンセプトを示している。
日本メナード化粧品では、独自成分を配合したシワ対応アイテムを投入した。「薬用ラインズリセット」(45ミリリットル・税込2万2000円、20ミリリットル・同1万1000円)は、 シワ改善効果の承認を受けた有効成分「VEP―M」を日本で初めて配合した美容液。同社では、1960年代から「シワ」に関する研究を行っており、ビタミン類が持つ美肌への効果に着目。 高い抗酸化力を持つ「ビタミンE」の効果に注目し、化粧品への応用をしてきた。ビタミンEの定性を高め、水に溶けやすくするために研究を重ねた結果、リン酸(P)と結合させることを見出した。 2021年には、オリジナル成分「VEP―M」において、シワを改善する効果の承認を取得し、同社初のシワ改善美容液の開発に至った。
(続きは2023年11月9日号参照)