処分取り消し請求訴訟、日本ガスが取り下げ
業務停止期間の終了を踏まえ「総合的に判断」
特定商取引法違反を理由に訪問販売業務の一部停止等を命じた消費者庁による行政処分の取り消しを求めて、東京地裁で行政訴訟を起こしていた日本ガス (日本瓦斯、所在地・東京都渋谷区、柏谷邦彦社長)が、訴えを取り下げたことが本紙の調べで分かった。取り下げは8月28日付。日本ガスの説明によれば、 業務停止期間が終了したことを踏まえた判断という。
消費者庁による行政処分は5月24日付。同25日から8月24日までの3カ月間、訪問販売業務にかかわる勧誘、契約の申込受付・締結を行うことの停止を命じるとともに、 違反行為の再発防止策の策定などを指示していた(本紙6月1日号4面既報)。
同庁が認定した違反行為は勧誘目的不明示、再勧誘、不実告知。営業委託先による電気・ガスの契約の訪問販売で、勧誘の目的を明らかにせず、 事実ではないのに料金が「安くなる」と告げたり、断られても勧誘を続ける行為があったとされた。電気・ガスの訪問販売は日本ガスも行っていたが、 違法行為を認定された6事案はすべて委託先の営業員によって行われていた。
この行政処分に先立ち、消費者庁は昨年6月に日本ガスの立入検査を実施。今年4月13日、弁明機会の付与を行っていた。
日本ガスは4月24日までに弁明書を提出する一方、行政処分によって重大な損害を生ずるおそれがあることなどを理由に、5月10日、処分の差し止めを求める訴訟を東京地裁に提起。 同時に、処分の仮の差し止めを申し立てていた。
5月24日に処分が出された後は、訴えの内容を処分の取り消し請求に切り換え、訴訟を係属していた(申し立ては5月23日に却下され、高裁への執行停止の申し立てに切り換え)。 7月13日には1回目の期日が開かれていた。
(続きは2023年9月28日号参照)