消費者庁の24年度予算
外国当局への情報提供強化、取引対策課が増員要求
「書面電子化」悪用トラブル、継続監視予算の要求も
消費者庁は8月30日までにまとめた2024年度予算の概算要求において、特定商取引法関連で2名の増員と「書面電子化」規定の継続監視予算を求めた。増員が認められた場合、 外国の執行当局への情報提供に関する業務とWEB通信販売の調査を担う。監視業務は、秋以降に初の委託先が選定される見通し。
特商法に提供規定外国から情報入手も
増員要求の内訳は①外国執行当局との連携強化で1人②インターネット通信販売に対する調査強化で1人。①は、昨年6月に施行された改正特商法で、 同当局への情報提供規定(第69条の3)が新設されたことにともなう要求となる。
同規定に基づく情報提供先は、特商法に相当する法律が存在する外国の執行当局。この当局に対して、その職務遂行に資すると認める情報の提供を行うことができる。提供する情報は、 日本側の同意なく外国の刑事事件の捜査・審判に使用されないように努めるルールが定められている。
特商法の企画・立案・執行を担う取引対策課によれば、法的な専門知識をもつ人材の獲得を想定。当局との交渉や情報提供に関する覚書の作成といった作業などを担うという。 「現行の制度でも情報のやり取りを全く行えないわけではないが、覚書等の枠組みがあることでより円滑に行えるようになる」としている。
当局へ情報を提供するだけでなく、「その逆に(特商法の)執行や企画、立案の参考となるような情報をいただくことができる」ともした。
今年6月に施行された「書面電子化」規定を受けて、事業者による同規定の活用状況などをモニタリングする予算の要求額は3200万円。全額を「重要政策推進枠」を利用して求めた。 同予算を含む取引対策課としての「消費者取引対策の推進」関連予算は、23年度比2110万円増の2億5180万円を要求した (今年4月に移管された取引DPF消費者保護室の予算は含まず)。
(続きは2023年9月14日号参照)