どこまで続く「値上げ」の波、DS業界の対応は 本紙アンケート46社の回答集計

昨年~今年に52が値上げ、15%は2年連続
値上げ率の最多は「6~9%」、悪影響2割
三大要因は「原材料」「資材」「輸送費」


昨年より市場全体で続く値上げラッシュ。ダイレクトセリング業界も例外ではなく、原材料費等の高騰や国内の人手不足、円安の進行、 ロシアのウクライナ侵攻にともなう流通の不安定化などを背景に、コストを販売価格に転嫁する動きが相次いでいる。一方で、顧客の購買にマイナスの影響をもたらしかねないため、 経費や取引の見直しで価格維持に努める会社も少なくない。そこで本紙は、業界各社における価格引き上げの状況や影響、コスト上昇の要因を訊ねるアンケートを実施。 46社(調査概要参照)の有効回答をまとめた。

昨年の値上げ

  アンケートではまず、昨年(22年1月~12月)に価格を引き上げたかどうかを調査。引き上げ対象は、売上面で主要な位置を占める商品・サービス群の価格について聞いた。
 回答を集計すると、「昨年、価格を引き上げた」(15社)が33%、「昨年、価格は引き上げていない」(28社)が61%を占める結果となり、 3分の1の会社は昨年中に値上げを行っていた(グラフA参照)
 また、「その他」(3社)を選んだ会社は、うち2社が「一部製品の価格を引き上げた」「仕入先(=メーカー)による値上げがあった」と記述方式で回答。 このため、この2社を含むと、昨年の値上げの実施率は37%に達した。
 次に、「昨年、価格を引き上げた」とした会社に、価格の引き上げ率を調査。もっとも多かったのは「6~9%」(6社)で、有効回答の43%を占めた(グラフB参照)
 2番目に多かったのは22%を占めた「3~5%」(3社)。これに「1~2%」「10~14%」(各2社)、「15~19%」(1社)が続いた。
 昨年に価格を引き上げた会社には、顧客の注文件数や頻度、単価にどのような影響を生じたかも聞いた。
 この回答を集計した結果、「小さなマイナスの影響を生じた」(2社)と「大きなマイナスの影響を生じた」(1社)を合わせた計20%において、 大小の影響を生じていた(グラフC参照)。記述式で聞いた影響の中身は、「注文数量と顧客の減少」などが寄せられた。
 一方、もっとも多かったのは「ほとんど影響はなかった」(7社)で、有効回答の47%を占めた。「何ともいえない」(5社)も33%を占めた。

今年の値上げ

 アンケートでは今年(23年1月~12月)に関しても、これまでに価格を引き上げたり、今後その予定があるかどうかを調査。

(続きは2023年9月7日号参照)