DS化粧品市場 2023年後半戦の施策 アプローチの多様化が加速
チャネル横断のフォローなど 高付加価値の投入相次ぐ
ダイレクトセリング化粧品市場では、2023年の後半戦に向けた取組みを強化している。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変更された5月以降、 〝アフターコロナ〟の機運が急速に高まり、あらゆる分野でコロナ禍前の賑わいに近い姿を見せるようになってきた。半面、行動制限のない今夏は、 新規感染者の増加もみられており、引き続き警戒が必要とされている。ダイレクトセリング化粧品各社は、 コロナ禍の中で培ったリアル・デジタル両施策のバランスをとりながら、多様化したニーズへの対応を急ぐ。中でも、チャネル横断の展開や、 高付加価値アイテムの投入による訴求力の強化が顕著で、需要回復を狙うケースが増加している。
顧客IDの統一化共通サービス提供
(写真はポーラのB.AグランラグゼⅣ)
現在、ポーラ・ザ・ビューティーなどの店舗では、SNSを活用した情報発信などによって顧客フォローを行ってきたが、「ポーラプレミアムパス」では、 販売チャネルを横断した仕組みを構築することで、サービス体験の格差を解消、同時に綿密なフォローする狙いがある。第3四半期以降は、 ポーラブランドでは国内において新規顧客獲得に向けて、オンライン広告、SNSをはじめとするデジタルツールを活用した情報発信を強化し、 デジタルを中心に顧客接点の拡大を図る。また、「B.Aスターターキット」など、ブランドエントリーのきっかけとなるキット品を投入して体験意欲を喚起する。 既存顧客に対してはエステを軸にした来店促進を行うほか、10月には約8万円の高級美容液「B.AグランラグゼⅣ」を投入する。EC顧客には、 エステ体験会を提供してリアル施策での訴求を図る。海外では、中国大陸で「B.Aミルクフォーム」での新規顧客獲得を進めるほか、10月にインドネシアに出店し、 アジア地域での攻勢を強める構えだ。
〝アフターコロナ〟で需要回復に期待
(続きは2023年8月24日号参照)