NMI・宮澤政夫代表インタビュー ③ 再考・連鎖販売取引 「勧誘」「登録」のあり方は

「愛用」「ビジネス」両会員制度の両立を成長の課題は 特商法・人口減・リーダー依拠

▲ネットワーク
マーケティング研究所 
  宮澤 政夫代表
 前号(8月3日号5面)に続き、特定商取引法の下で連鎖販売取引に求められる勧誘・登録プロセスのあり方について、 ネットワークマーケティング研究所(NMI、横浜市)の宮澤政夫代表に話を聞いた(文末に訂正告知あり)。

  過去2回(8月3日号5面、同10日号3面)に続き、特定商取引法の下で連鎖販売取引に求められる勧誘・登録プロセスのあり方について、 ネットワークマーケティング研究所(NMI、横浜市)の宮澤政夫代表に話を聞いた。

実態としての愛用者「外から分かりにくい」

  ―――新規登録の形式を「愛用者会員」に限定し、一定の要件を満たして「ビジネス会員」に移行する二段階方式の勧誘・登録プロセスのアイデアについて、 NMIの中でも、マーケティングプランによっては困難とする意見があるという。他に、どのような意見があるか。
 「『愛用者会員』という仕組み自体に馴染みが薄く、そのため難しいという声がある。もちろん、愛用者がいないということではない。 連鎖販売取引のルールに則って登録しているので建前は『ビジネス会員』だが、そのうち7割~8割は実質的に製品の消費のみ行う『愛用者会員』というケースは珍しくない。
 その場合、連鎖販売の特定利益を得たいという会員には、特商法をはじめとする関連法規のテストへの合格やトレーニングの受講などを義務付け、 スポンサリング資格の認定制度を設けていたりする。そのように『愛用者会員』と『ビジネス会員』を区分けする方法で、コンプライアンス上の問題が生じていないなら、 それはそれで構わないと思う。
 仮に、二段階方式のプロセスにしたからと言って、氏名等明示義務などの違反を完全になくせるわけではないだろう。『ビジネス会員』として登録してもらい、 会員自身の意思で愛用者として活動してもらうことは一つの方針と思う。
 ただ、勧誘にまつわるトラブルの抑止や顧客の獲得といった側面からは、商品の推奨プロセスと勧誘のプロセスを分離する方法が有効と考えられるのではないかということ。 それに、建前は『ビジネス会員』で実態は『愛用者会員』という内情は、外部から分かりにくい。新規登録を考えている人や一般の社会、法規制を口にする人たちに対しては、 分離型のほうが理解を得られやすいのではと思う」

 
従来の成長モデル「継続できるか」

―――今の市場環境において、連鎖販売取引が持続的成長を果たすには、勧誘・登録プロセスの観点から、どのような取り組みが求められると考えるか。
 
(続きは2023年8月17日号参照)