「書面電子化」ガイドラインのポイントは ㊦

電磁的交付 SNS許容、ただし「紛争あっても関知せず」
到達確認 消費者による「記載事項の回答」など例示

  前回(5月18日号3面)に続き、消費者庁から公表された特定商取引法の「書面電子化」ガイドラインのポイントを見ていく。
 消費者から電磁的交付を希望された事業者は、重要事項の説明を行い、消費者のデジタル適合性と第三者提供の意思を確認して、承諾を取得する手順を踏むことで、 いよいよ電磁的方法による電子書面の提供に移ることとなる。
 この場合の提供方法は、2月に公表された政省令で、電子メール等の送信、消費者自身によるWEBサイトへのアクセス、 電子書面が入った記録物(USBメモリ等)の交付の3通りを指定(訪販は省令第8条第1項第1号~2号)。政省令案のパブリックコメント回答では、 電子メール等にSNSも含まれるという見解が示されていたところ、ガイドラインでは改めて「電子情報処理組織を利用する方法としては、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (以下「SNS」という。)が提供するサービスも排除されるものではない」との考え方が示された。
 また、デジタル適合性の確認手段や承諾の取得手段として認められるSMS(ショートメッセージサービス)は、電磁的交付の手段としても許容される旨が示されている。
 一方、SNSに関しては事業者が注意すべき点を付記。「SNSの中には利用規約等においてその提供するサービスを事業者が事業に使用することを禁止されるものもある」とした上で、 「そのようなサービスを利用した場合の提供の有効性や仮にSNS提供事業者と事業者間に紛争があった場合の帰趨に関知するものではない」 「事業者が定める利用規約等に沿って電磁的方法による提供を行うことが望ましい」と続ける。

(続きは2023年5月25日号参照)