アムウェイが通常業務再開

説明前に被勧誘者の同意、オンライン取得を必須
新規入会は愛用のみ、「ABO」移行に最低20日

昨年10月、消費者庁から特定商取引法違反で連鎖販売取引事業に行政処分を受けた日本アムウェイ(本社・東京都渋谷区、 イリーナ・メンシコヴァ社長)が6カ月の取引等停止期間を終え、4月14日より、新規勧誘と契約申し込みの受付・締結業務を再開した。同時に、 処分で認定された違法行為の排除等を目的として、従来の勧誘・登録ルールを大きく修正。製品等について説明する前に被勧誘者の同意をオンラインで取得する手続きや、 新規入会の形式を愛用会員に限定し、20日以上が経過しないとビジネス会員に移行できない自主規制を新たに導入した。修正のポイントを見ていく。

活動資格の再取得要請

▲4月14日より新規勧誘、契約締結を再開したことに合わせ、
「新アムウェイ登録制度」(=同社WEBサイトより)と呼ぶ
新たな自主規制を導入
 日本アムウェイは昨年10月の行政処分に前後し、連鎖販売事業に関わる自主規制の見直しに着手した。
 まず、ビジネス会員に相当する「ABO(アムウェイ・ビジネス・オーナー)」の全員に対して、ボーナス支払い等の要件である「スポンサー活動資格」の再取得を要請 (通常は毎年10月〜12月の更新テスト受講)。停止命令の対象にならなかった製品小売り活動についても、「目的明示チェックシート」と呼ぶ書面の提示を義務化した。 これら周知のため、11月までにABO対象のコンプライアンスミーティングは26都市で計104回を実施した。
 07年より運用している「スポンサー活動資格」は、特商法をはじめとする連鎖販売ビジネスに必須の法令、ルールをeラーニングで学び、 理解度を問うオンラインテストへの合格によって取得できる。再取得を求めるにあたり、処分で認定された4つの違法行為――氏名等不明示、公衆の出入りしない場所での勧誘、 迷惑勧誘、概要書面不交付――については、とりわけ注意すべき点として盛り込んだという。

Mアプリの勧誘利用禁止

 再取得しなかったABOは、愛用会員に相当する「プライムカスタマー」へ自動的に移行。昨年8月末時点で?万6563組にのぼったABOのうち、 どれだけの数が再取得したかについては「回答を控える」(同社)とした。テストの具体的中身や合格ラインについても「回答を控える」(同)とした。
 eラーニングやテストでは、行政処分で特に問題視された、マッチングアプリを使ったブラインド勧誘と公衆の出入りしない建物における勧誘の2点についても周知徹底。 マッチングアプリは、一昨年?月に同社元会員2人が特商法違反容疑で京都府警に逮捕された事件(うち1人に罰金の略式命令)でもクローズアップされ、昨年3月の段階で、 会員規約にあたる「倫理綱領・行動規準」に勧誘行為への利用禁止を追加していた。

会員所有オフィスで指針

 公衆の出入りしない建物における勧誘については、「オフィスに関するガイドライン」と呼ぶ指針を新たに策定。ABO自身の主催するイベントやミーティングで、 ABOが個人所有するオフィス等を使用する際に守るべき責任事項、関連法規をまとめた。

(続きは2023年4月27日号参照)