2022年度の特商法執行 延べ処分件数、3年ぶり増加
都道府県で1.5倍、国は実態ベースも減少
コロナ禍の規制で20〜21年度は急
件数の増加は3年ぶり。近年の処分は17年12月の改正特商法施行を契機に、17〜19年度に大きく増加していたが、コロナ禍の始まった20年度以降は急減していた。
改正法施行後の増加は、新設された業務禁止命令の影響が大きく、以降のほとんどの処分で業務停止命令と禁止命令がセットで出されている。これに対して20〜21年度は、 被勧誘者・契約当事者の聞き取り調査や事業者の拠点への立入検査など、法執行に必要な諸業務がコロナ禍の行動規制で制約され、その影響が処分数の減少として表れた。 3年ぶりの増加は、コロナ禍の行動規制が徐々に緩和されたことなどが背景に考えられる。
業務禁止命令を除いた件数は62件で、過去10年で最少だった前年度の52件を19%上回った(件数ベースで10件増)。
国の処分数、実態ベースで減少続く
国は、実態に近い事業者ベースの処分数も減少。22年度は7件で、前年度の10件に対して3件のマイナスだった(業務停止命令・指示・業務禁止命令の同時適用、 単一事業者が行う複数の取引の処分、事実上一体となって活動していた複数の事業者の処分など、処分の重複カウントを除いて算出。 国と都道府県の同時処分は各執行主体に重複カウント)。これ以前の国の事業者ベースの処分数は、19年度が18件、 20年度が15件(20年4月の偽ブランド品販売事業者一斉処分を1事業者としてカウント)だったため、減少傾向が進んでいることが分かる。
(続きは2023年4月13日号参照)